この記事では、「沈静」と「鎮静」の違いを分かりやすく説明していきます。
似た言葉に見える2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「沈静」とは?
「沈静」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「沈静」は「ちんせい」と読みます。
「沈静」には、「落ち着いてしずかなこと。
またそうなること」という意味があります。
例えば、感情的になっていた人が、時間の経過とともに落ち着いたとき、「感情的だったが、時間とともに沈静した」などという文章を作ることができます。
また、インフレがひどくなり、お金が紙くずのようになった時期から、次第に落ち着きを見せる時、「インフレが沈静化する」などと言います。
他にも、国民的アイドルとして絶頂の人気を誇った人の人気が、時間の経過とともに落ち着いた人気になってきたとき、「アイドルのブームが沈静する」という文章にできます。
「鎮静」とは?
「鎮静」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「鎮静」は「ちんせい」と読みます。
「鎮静」には、「気分が静まって落ち着くこと。
また、気分を沈めて、落ち着かせること」という意味があります。
感情的になっている人が、落ち着いた時に「鎮静」という言葉を使います。
例えば、喧嘩をしている人は殺気立っていますが、誰かが落ち着くように言う場合、「殺気立っている人を、鎮静化させる言葉をかける」などという文章にできます。
また、心が動揺していたり、神経がささくれ立っている人を、落ち着かせる薬を「鎮静剤」と呼びます。
興奮した集団が落ち着く様子にも、「鎮静」という言葉を使うことができます。
例えば、暴動を起こしていた集団が、警察の出動などによって冷静さを取り戻したとき、「暴動が、鎮静化する」などと言います。
「沈静」と「鎮静」の違い
「沈静」と「鎮静」の違いを、分かりやすく解説します。
「沈静」には、「落ち着いてしずかなこと。
またそうなること」という意味があります。
一方の「鎮静」には、「気分が静まって落ち着くこと。
また、気分を沈めて、落ち着かせること」という意味があります。
どちらも「落ち着き静かになる」という意味がある言葉ですが、「落ち着き方」に違いがあります。
「沈静」は「自然と落ち着く」というニュアンスがあります。
「暴動が沈静化する」という場合は、暴動が時間の経過などとともに、自然と落ち着いていくというニュアンスになります。
一方、「暴動が鎮静化する」という場合は、警察の介入などがあり、落ち着いていくという意味があります。
このように、どちらも「落ち着き静かになる」という意味がありますが、「沈静」の場合は「自然とそうなる」のに対して、「鎮静」は「人為的にそうする」という意味が含まれているという違いがあります。
まとめ
「沈静」と「鎮静」の違いについて見てきました。
2つの言葉の意味の違いを知ることで、きちんと使い分けることができるようになりそうです。