「一本気」と「頑固」は主に人の性質を表す言葉ですが、意味合いが異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「一本気」と「頑固」の違いを分かりやすく説明していきます。
「一本気」とは?
「一本気」は「いっぽんぎ」と読む言葉で、「特定の物事に対して一心に思い込むこと或いはそのような様子」を意味するほか、「純粋であること」といった意味も持ち合わせています。
「一本気」の「一本」は「一方向」や「一筋」などを指し、「気」は「心」や「気持ち」などを指します。
「頑固」とは?
「頑固」は「がんこ」と読む言葉で、「自分が持つ考えや態度などを頑なに変えようとしないこと或いはそのような様子」を意味します。
そのほか、「簡単に離れないこと」や「しつこいこと」などの意味で使用されることもあります。
「頑」には「融通がきかない」や「頑な」といった意味があり、「固」には「かたい」や「固まる」などの意味があります。
「一本気」と「頑固」の違い
「一本気」と「頑固」は双方とも「意志や気持ちの強さ」に関する意味合いを含む言葉ですが、細かな意味合いに違いがあります。
「一本気」は「物事について一途に思い込むこと」や「純粋であること」のほかに「強い信念を持って何かに取り組むこと」や「一心に集中すること」といった意味も持ち合わせており、一般的にはポジティブな意味合いで使用されることが多い言葉です。
一方、「頑固」は「自分のこだわりに固着し、頑なに考えや態度などを変えようとしないこと」を示し、どちらかというとネガティブな意味合いで使用されています。
「一本気」の例文
「一本気」は「強い気持ちで何かに取り組む」際や「真剣に何かを成し遂げようとする」際などに使用される表現で、「一本気な性格」や「一本気な」、「一本気に」などの使われ方をしています。
・『うちの祖父は職人気質の一本気な性格だ』
・『彼は口数が少ないが、真面目で何に対しても一本気なところが周囲に評価されている』
・『弟は頼りないところも多々あるが一本気な側面もある』
・『友人は一本気な気質を活かせる研究職についた』
「頑固」の例文
「頑固」は「自分の思いや態度などを頑なに変えない」際や「自分の考えなどに固着する」際などに用いられる表現で、「頑固だ」や「頑固な」などの使われ方をしています。
「しつこい」という意味もあり、「汚れが除去できない」際や「病気が改善しない」際などに使用する場合もあります。
・『昭和生まれの父親は映画に出てくるような頑固親父だ』
・『彼女の長所は意志が強いことだが、ときどき人の意見を聞かないほど頑固になる一面がある』
・『窓のサッシにこびりついた頑固な汚れが取り除けない』
・『足にできた頑固な魚の目は、皮膚科で治療することが可能だ』
まとめ
「一本気」と「頑固」は「人の意志」に関わる意味を持ちますが、詳細な意味合いや使用する場面に違いがあることが分かります。
両者の用法を知って、様々な場面で適切に使い分けましょう。
ぜひ参考にして語彙力アップに役立ててください。