この記事では、「印刷」と「印字」の違いを分かりやすく説明していきます。
「印刷」とは?
原稿に従って印刷版を作り、その版にインクなどをつけて文字や図形などを紙などにうつし取ることです。
紙などにうつし取る方法によって、凸版印刷、平板印刷、凹版印刷、孔版印刷などがあります。
現在主に使用されているのは平板印刷に分類されるオフセット印刷です。
ポスター、書籍、新聞などさまざまなものに利用されています。
大量に印刷することに向いています。
それ以前には凸版印刷に分類される活版印刷が活用されていました。
これはスタンプと似たような仕組みです。
文章を紙にうつす場合、1文字ずつ活字を拾って組みます。
活字はスタンプに似たものです。
文字の部分は浮き出た形になっています。
ここにインキをつけて、それを紙に押し当てると、紙に文字がうつります。
文章の一部を間違えてしまったら、その部分の活字を正しいものに入れ替えて直します。
活字の個数が変わると行が変わるので、また版を組み直さなければなりません。
そのため、手間がかかります。
「印刷」の使い方
印版にインクなどをつけて、文字や図形などを紙などにうつし取ることを指して使用する言葉です。
大量に行う場合に使うことが多い言葉で、学校の図工の時間に版画で彫ったものを紙にうつし取ることには使用しません。
「印字」とは?
タイプライターやプリンターなどで、紙などに文字や符号を打ち出すこと、またその文字や符号のことです。
この言葉は、パソコンのプリンターやタイプライターなどを使用した場合を指しています。
タイプライターは現在は姿を見ることはあまりありませんが、パソコンやプリンターが普及する前に使用されていました。
キーボードのような文字を打つ部分と、紙に文字や符号などを打ち出す部分とで構成されています。
文字を打つと活字が紙に打ち出され、紙に文字がうつります。
キーボードの部分の文字は、英語用、フランス語用、ドイツ語用などさまざまあります。
パソコンのように、英語も漢字も平仮名もなど、いくつもの文字を打ち出すことはできません。
「印字」の使い方
タイプライターやパソコンなどを使って、紙に文字などをうつし出すことを指して使用する言葉です。
「印刷」と「印字」の違い
前者には、凸版印刷、平面印刷などいくつかの方法があります。
どれも、印版にインクなどを広げて、それを紙などにうつします。
後者は、タイプライターやプリンターなどを使って紙などに打ち出すものです。
印版を作って、そこにインクなどを広げてうつし取るものではありません。
「印刷」の例文
・『印刷を依頼する』
・『100部印刷できた』
・『素早く印刷できる機械』
・『印刷が完了した』
「印字」の例文
・『印字されている』
・『日付を印字する』
・『片面に印字をする』
・『黒で印字をする』
まとめ
紙にうつすという意味が似ていますが、方法が違います。