排水を流すための水道を意味する言葉として「下水道」と「汚水道」があります。
このふたつの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「下水道」と「汚水道」の違いについて解説します。
「下水道」とは?
「下水道」とは、「人が使用することのない排水を処理施設まで運ぶために通してある水の通り道」を意味する言葉です。
一般的に「下水道」というと「汚れた水を流す場所」という意味で使われています。
「下水道」には家庭から出される生活排水や工場から排出される汚水などを流す以外に、雨水など自然水のうち利用されない水を流す役割もあります。
汚水と雨水はそれぞれ別の系統で集められており使用される水道管も別々です。
採取的には合流してまとめて処理されることもありますが、雨水のみを処理せずそのまま自然に放出することもあります。
汚水と雨水を別々に集めて処理する方式を「分流式」一緒に集める方式を「合流式」といいます。
「下水道」で集められた水はそのまま放出される自然水を除き最終的に処理施設に運ばれます。
処理施設では汚染物質を取り除いたり化学処理を施したりなどして集められた下水を安全な状態にしてから海や川に放出します。
「下水道」の使い方
・『下水道工事のために道路が封鎖されている』
・『大雨が降ると下水道があふれる恐れがある』
・『下水道の普及率は98%を超えている』
・『都市化の第一歩として下水道整備は欠かせない』
「汚水道」とは?
「汚水道」とは、「汚水を流すための通り道」という意味で使われている言葉です。
「汚水道」は正式な言葉ではない誤った表現です。
一般的には「生活排水や工場排水など汚染された水を流すための排水専用の水道」という意味で使われることがありますが正式な水道関係では使われることのない間違った言葉です。
造語としては「分流式」において雨水などを流す水道と汚れた水を流す水道を明確に区別するために誕生したと考えられますが公共の水道関係者や専門家が使うことはなく不用意に使うと混乱を招きかねません。
汚水を流すための専用水道管は「汚水管」であり「汚水道」は間違いです。
「水道」という言葉は水の通り道やシステム全般を含む言葉なので汚水が通る水道管を限定するなら「汚水管」が正しい表現です。
「汚水道」の使い方
・『汚水道は間違った言い方である』
・『汚水を集める水道管は汚水道ではなく汚水管だ』
・『汚水道という言葉が何を意味するのか理解できない』
・『正式な表現ではないので汚水道という言葉を修正する』
「下水道」と「汚水道」の違い
「下水道」が正式な言葉であるのに対し「汚水道」は間違った表現なので使うべきではありません。
実際の使われ方としては「下水道」のうち雨水など自然の水を流さない汚水のみを流す設備のことを「汚水道」と表現していますがそのような言い方は正式なものではなく意味が通じない言い方です。
「汚水道」という言葉を見つけたら「下水道」もしくは「汚水管」という意味なので訂正してください。
まとめ
「下水道」は法律でも使われている正式な言葉ですが「汚水道」は単なる造語に過ぎない誤った表現です。
間違った言葉を使わないよう注意してください。