「減損会計」と「時価会計」の違いとは?分かりやすく解釈

「減損会計」と「時価会計」の違い二語の違い

この記事では、「減損会計」「時価会計」の違いを分かりやすく説明していきます。

「減損会計」とは?

減損会計とは、げんそんいかいけいという読み方をすべき言葉です。

漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事でしょうが、財産や物が減る事や減らしてしまう事といった意味の減損の漢字に、代金の支払いや勘定といった意味がある会計の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。

だからこそ減損会計は、資産の収益性が低下してしまい投資額の回収が見込めなくなった際、資産の帳簿価額に価値の下落分を反映させる手続きを行う事を表すのです。

「減損会計」の使い方

減損会計は、収益性が低下した固定資産の帳簿価額を、実態に合わせる形で減額する会計処理に使われる言葉です。

より詳細に説明すると、固定資産の収益性が低下してしまい、その投資額の回収すら見込めなくなってしまった時に、帳簿価額を一定の条件のもとで回収が可能な価額まで減額する事があるのです。

こういった会計上の処理の事を、減損会計という言葉を使って表現しています。

「時価会計」とは?

時価会計とは、じかかいけいという読み方をする言葉です。

文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事ですが、その時々の商品の価格や現在売買すると考えた時の価格といった意味を持っている時価の文字に、金銭の収支や財産の変動等を計算し記録したり、管理したり報告する行為といった意味を有する会計の文字を加える事で完成した言葉となっています。

以上の事から時価会計は、資産や負債を取得原価ではなく、その時々の時価で再評価する会計の事を示すのです。

「時価会計」の使い方

時価会計は、文字通り時価を基準にして資産や負債の評価を行う会計を表現する言葉として用いられています。

元々日本においては、取得時点の市場価格により評価していたものの、金融商品の多様化等の要因もあり国際基準である時価会計が採用される様になったのです。

特に2001年以降に持ち合い株式においては、時価会計が義務化される等したため、この時価会計という言葉自体も使用される機会が増えたのです。

「減損会計」と「時価会計」の違い

減損会計と時価会計の文字表記を並べて見比べてみれば直ぐに、減損と時価という漢字の違いがある事に気付く事が出来ます。

所がその後に続くのは、会計という同じ漢字である上に、どちらも会計処理に関連した意味を持つ言葉同士です。

ただし最初の2文字が違う事で、表す意味合いにも違いが生じています。

まず減損会計は、価値の低下が見られる固定資産の帳簿減額を、実態に合わせる形で減額を行う会計を表す言葉です。

一方の時価会計は、企業の資産や負債等に関して、取得した時点の価格ではなく、決算時点の市場価格により評価し、財務諸表に反映させる会計制度を示します。

まとめ

2つの言葉はどちらも同じ、会計という漢字が使われている言葉同士であり、会計制度を表現する言葉です。

ですが最初の2文字に明確な漢字の違いがある事で、示す意味には相違点を見出す事が出来ます。

ちなみに減損会計は、資産の収益性が下落してしまい投資額の回収が見込めなくなった場合に、帳簿価額を一定の条件のもとで回収可能額まで減額する会計処理という意味を持つ言葉です。

対する時価会計は、資産や負債、株式等を取得した際の価格ではなく、決算時に市場価値で再評価するという会計処理に用いられる言葉となっています。