この記事では、「三行半」と「離婚届」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉を見極めていきましょう。
「三行半」とは?
三行半(みくだりはん)とは、江戸時代の離婚にまつわる書状のこと。
夫から妻に「もうこの結婚を終わりにしたい」と送りつける書簡をこのように呼んでいました。
三行半の語源は「文章を3行と半分」でまとめることが多かったため。
実際には年月日や夫の名前そして妻の名前を入れると、これ以上のボリュームになることもありました。
けれども全体的にシンプルな訴状となっていたので「三行半」という小さな名に収まったようです。
本文は「都合によって離縁したい。
今後は、誰と再婚してもかまわない」という内容になっています。
夫の愛情も垣間見える、小さな思いやりがつまった書簡になっています。
「離婚届」とは?
離婚届(りこんとどけ)とは、結婚を解消する手続きの用紙のこと。
夫婦2人の署名と押印が押してある、役所用の書類です。
本籍がある市区町村、もしくは住民票がおいてある自治体の役所に届け出をします。
本籍地ではない自治体に提出する場合は、離婚届と一緒に戸籍謄本を出します。
また提出者の身分証明書として、パスポートや免許証などの確認書類が必要になります。
最近はより柔軟に手続きをおこなえるように、郵送での受付や滞在先である「実家の自治体」で離婚届の提出を受け付けてくれるところも増えています。
手続きそのものは簡単におこなえるので、慰謝料やお子さんの親権、財産分与などそれ以外の項目をきっちり話し合っておくことも大切です。
「三行半」と「離婚届」の違い
いずれも離縁にまつわる書簡です。
「三行半」と「離婚届」の違いを、分かりやすく解説します。
・江戸時代の三行半、令和の離婚届
「三行半」と「離婚届」はどちらも、夫婦としての繋がりを解消するための書類です。
三行半は江戸時代の離縁状で、夫から妻に出されていたもの。
わずか三行足らずの、短い書簡になっています。
そして離婚届は別々の道を歩むことになった夫婦が、2人とも合意の上で提出する用紙です。
三行半は夫から妻へ叩きつける「一方通行の書簡」ですが、離婚届は夫と妻どちらも同意した「双方向の書類」です。
また「三行半」は「三行半を突きつける」や「三行半を叩きつけられる」のように、不貞をはたらいた夫や妻をお払い箱にするという訳で用いられています。
離婚の手続きは以前に比べて簡素なものになってきていますが、一方で慰謝料や財産分与にまつわるトラブルも増えています。
離婚後に思わぬ不運に巻き込まれないためにも、離婚前に第三者を交えながら、丁寧に話し合っておくことがおすすめです。
まとめ
「三行半」と「離婚届」の違いを分かりやすくお伝えしました。
三行半とは、江戸時代の離縁にまつわる書簡のこと。
夫から妻に一方的に、送られていた離縁状をあらわします。
そして離婚届とは、離婚が決まった夫婦が役所に提出する用紙をいいます。
江戸時代が三行半、令和は離婚届です。