「消防警戒区域」と「火災警戒区域」の違いとは?分かりやすく解釈

「消防警戒区域」と「火災警戒区域」の違い二語の違い

火事から人々を守るために指定される地域として「消防警戒区域」「火災警戒区域」がありますが具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「消防警戒区域」「火災警戒区域」の違いについて説明します。

「消防警戒区域」とは?

「消防警戒区域」とは、「火災発生時に消火活動の実行と安全のため立ち入りを禁止する区域」を意味する言葉です。

「消防警戒区域」は消防法第28条の「消防警戒区域の設定等」により規定される警戒区域の一種です。

消防法では「火災の際、生命又は身体に対する危険を防止するため及び消防活動ひいては火災の調査のため、一定の者以外の者の立入等の禁止、制限等を行う必要のある区域」「消防警戒区域」としています。

「消防警戒区域」を簡単に説明すると「火災発生時に危ないので入ってはいけないエリア」です。

火災現場では無関係の人間が現場付近に立ち入ると消火活動の妨げになりますし新たな被害が発生する危険性もあります。

そのような事態を防ぐために設けられる立入制限区域が「消防警戒区域」です。

火災現場では野次馬が火元に近づかないように指示が出されますが「消防警戒区域」の存在が立ち入り制限の根拠になっています。

「消防警戒区域」の使い方

・『消防警戒区域から出るよう指示された』
・『二次被害を防ぐためには消防警戒区域を設定する』
・『鎮火後も火元調査のため消防警戒区域に立ち入ることができない』
・『消防署の調査が終わり消防警戒区域が解除された』

「火災警戒区域」とは?

「火災警戒区域」とは、「火災発生の恐れがあるため火気の使用や人の出入りなどが禁止される区域」を意味する言葉です。

「火災警戒区域」は消防法第23条の2「火災警戒区域の設定」により規定される警戒区域の一種です。

消防法では「ガス、火薬又は危険物の漏えい、飛散、流出等の事故が発生した場合において、当該事故により火災が発生するおそれが著しく大であり、かつ、火災が発生したならば人命又は財産に著しい被害を与えるおそれがあると認められるときに消防長又は消防署長が定める一定区域」「火災警戒区域」としています。

「火災警戒区域」とは要するに「火事になる恐れがあるので火の使用や人の出入りが禁止される区域」です。

具体的にはガス漏れ事故やガソリンの流出事故などわずかでも火を使用すると火災が発生する可能性が高いような状況において火の使用を禁止するとともに安全のため人々を避難させる必要がある場合に当該地域を「火災警戒区域」に指定します。

「火災警戒区域」の使い方

・『ガス漏れにより火災警戒区域が設定された』
・『タンクローリーが横転した現場付近は火災警戒区域になっている』
・『火災警戒区域からすみやかに避難するよう指示された』
・『火災警戒区域ではわずかな日でも大火災につながる恐れがある』

「消防警戒区域」と「火災警戒区域」の違い

「消防警戒区域」「火災警戒区域」の違いは「火災が発生しているか」です。

既に火災が発生していて消火活動や安全確保のために設定されるのが「消防警戒区域」、まだ火災は発生していないがガス漏れが起きているなど火災が発生する可能性が高いとき火災を防ぐため設定されるのが「火災警戒区域」です。

火事が起きているのが「消防警戒区域」、まだ火事が起きていないのが「火災警戒区域」という違いで区別されます。

まとめ

「消防警戒区域」「火災警戒区域」はどちらも安全に関係する重要な言葉です。

どちらも非常に危険なエリアなので指示に従いすみやかに避難しましょう。