我々は生きている以上『排泄』という行為と離れることはできません。
したがって公共の場でも『トイレ』が存在しますが最近ではいろいろな呼び方が出てきています。
この記事では「誰でもトイレ」と「多目的トイレ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「誰でもトイレ」とは
これは『どの様な人であっても使うことの出来るトイレ』という意味があります。
ご存じの様に公共の場ではトイレは通常、男女に分かれています。
しかしながら昨今では多種多様な性のあり方、いわゆる『LGBTQ』の方についての配慮の必要性も社会問題になってきています。
そんな方々が気兼ねなく使える様にとの意味を込めて『誰でもトイレ』という言葉つくられたとされています。
また、障害を抱える人でも利用が出来るトイレという意味でもこの言葉は使われており、文字通りどの様な方でも使えるトイレなのです。
しかしながらこの名称は課題も生み出してしまっています。
それは健常者の方でも使えてしまうことです。
『誰でも』という言葉がついているのでこの問題を引き起こしてしまっています。
それぞれの倫理観に基づいた節度ある使用を求められています。
「多目的トイレ」とは
これは『排泄行為だけではなく、おむつの取り換えや授乳など様々な用途に対して使うことの出来るトイレ』を表す言葉です。
デパートなどでは授乳室などのコーナーが設けられている場合も多いですが、まだまだ完全とはいえないのが現状です。
トイレに入る方は『排泄』以外に一時的な更衣室や化粧室として使う場合もありますのでこの様な名称がつけられました。
しかしながらこれは大きな問題を引き起こしており、『排泄』を第一目的としたトイレ本来の目的から大きくかけ離れた用途で混雑してしまうという状況も多く発生いているといいます。
「誰でもトイレ」と「多目的トイレ」の違い
実はこの二つは全く同じトイレについてを指し示している言葉です。
あえて違いを付けるのであれば前者は『LGBTQ』を意識したもの、後者は『体に障害を抱える方』を意識した言葉になっています。
最近では言葉の取り扱いが非常にデリケートであり、『障害者専用』などの名称はプライバシーや尊厳をひどく傷付けてしまうおそれがあり使うことを避ける傾向にあります。
かと言ってオストメイトなど一見すると健常者にしか見えない器具を使用している方が使うと周りから白い目で見られてしまうなど誤解も生む為とてもデリケートな問題になっています。
国土交通省ではガイドラインを検討しなおし、『バリアフリートイレ』に変更することを促すなど様々な取り組みをしていますが、だれもが安心して使用できるトイレの名称の決め手にはなっていないのが現在の状況です。
まとめ
如何でしたでしょうか。
たかがトイレ、されどトイレ。
性や障害、そこにプライバシーや尊厳が複雑に絡み合った問題があるのが今回の『誰でもトイレ』と『多目的トイレ』でした。
名称についてはまだまだ課題がありますが、我々ひとりひとりの心がけや思いやりについても振り返る機会を与えてくれる言葉ではないでしょうか。