この「全粥」と「五分粥」は、逆だと考えてしまう人も多いでしょう。
「全粥」とは?
「全粥」とは、お粥を作る際の米と水の配合で、米1に対して水5として炊いたものです。
別名で「五倍粥」と呼ばれ、例えばお米が150グラムであれば、水が750ccになります。
一般的に「お粥」と呼ばれるのがこれになり、電気炊飯釜ではなく、主に土鍋にその割合でそれぞれを入れた状態からコンロの火にかけて作るものです。
病人食やお年寄りにご飯の代わりに出されることが多いイメージがありますが、1月7日に食べる「七草粥」など、行事の際に(具材を加えるなどして)出されることも少なくありません。
「五分粥」とは?
この「五分粥」は、「全」と比べて「五分」という表現から、先の「全粥」より少々固めのお粥のことだと思ってしまいそうですが、実はもっと柔らかい状態にしたものの表現になります。
お粥としての作り方は一緒ですが、こちらは米1に対して水10の割合で炊いたものになり、「全粥」と比べて水が2倍の量になることから、ご飯がかなり柔らかく、水っぽくなり、流動食に近いものだと考えていいでしょう。
ろくに食事が摂れないほどの大きな病気から回復した後の最初の食事として、または赤ちゃんの生後半年くらいからの離乳食として作られるようなことが多く、使う米と水の割合から「十倍粥」とも呼ばれます。
「全粥」と「五分粥」の違い
「全粥」と「五分粥」の違いを、分かりやすく解説します。
イメージ的には、「全粥」の方が柔らかそうですが、「五分粥」の方がその倍も水を使った柔らかいお粥になります。
尚、「五倍粥」は、前述のように「全粥」の別の呼び方なので、そちらと「五分粥」を混同しないように注意してください。
まとめ
「全粥」と「五分粥」は、このような関係になります。
「全粥」は一般的なお粥のことで、「五分粥」はそれをもっと柔らかくしたお粥になります。