この記事では、「ホースラディッシュ」と「わさび」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ホースラディッシュ」とは?
「ホースラディッシュ」はフィンランドや東ヨーロッパ原産の、アブラナ科セイヨウワサビ属の植物です。
「わさび」の一種ではありますが、「ホースラディッシュ」の原産国には日本でいう「わさび」がないのでラディッシュ、つまり大根の一種として扱われていました。
葉っぱは緑色ですが、主に食べられる地下茎の部分は白色をしていて、当然辛味と香りを出すためにすりおろしても白い色を保ちます。
山で土耕栽培されることから、日本では山わさびと呼ばれていることも多く、基本的に土耕栽培です。
主な生産国はアメリカで、世界需要の8割はアメリカの生産量だけで賄われています。
辛味や香りが非常に強いのも特徴で、現代の日本ではすりおろしたチューブの「わさび」や粉わさびには、この「ホースラディッシュ」が使われていることがほとんどです。
「わさび」とは?
「わさび」は日本が原産国の、アブラナ科ワサビ属の植物です。
強い刺激を持つ辛味と香りが特徴の植物で、日本では主に薬味として古来から食べられてきました。
日本が原産ではありますが東アジアを中心に食用と栽培が広がっていて、英語圏では日本語そのままの「Wasabi」と呼ばれています。
土耕栽培も可能な植物ではありますが、日本では水耕栽培していることが多いです。
現在では土耕栽培のものは「畑わさび」、水耕栽培のものは「水わさび」と呼ばれることもあります。
商品として加工する場合、同じ用途で加工される「ホースラディッシュ」と区別するために、「わさび」だけの加工食品や調味料は「本わさび」という名前を使うことがほとんどです。
「ホースラディッシュ」と「わさび」の違い
「ホースラディッシュ」と「わさび」の違いを、分かりやすく解説します。
「ホースラディッシュ」は東ヨーロッパが原産の辛味と香りが薬味に使われる植物で、「わさび」は日本が原産の辛味と香りが薬味に使われる植物です。
「ホースラディッシュ」は地下茎が白いですが、「わさび」の地下茎は緑色をしています。
どちらも辛味成分や香り成分は同じものですが「ホースラディッシュ」の方が「わさび」と比べ1. 5倍ほど辛味と香りの成分が多いです。
現在の生産国に関して、「ホースラディッシュ」は原産地の東北ヨーロッパよりも原産地から遠く離れたアメリカでの栽培が主要になっていますが、「わさび」は原産地の日本で生産されている量が多く、日本以外でも日本に近い東アジアで栽培されています。
まとめ
日本で昔から親しまれていた薬味の一つが「わさび」で、海外の「わさび」の仲間が「ホースラディッシュ」になります。
ただし普段口に入る、現代日本人により食べられているのは「ホースラディッシュ」の方であり、日本原産種の「わさび」は高級な「本わさび」や、「ホースラディッシュ」と混ぜて加工されていることが多いです。