日本語には色々な言葉がありますが、似ているようで全く異なるニュアンスのものもたくさんあります。
その中で「指示」と「指図」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、これら2つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか?
ここではこの2つに言葉にフォーカスしていくことにします。
「指示」と「指図」各々の解釈
「しじ」という読み方をする「指示」、「さしず」という読み方になる「指図」のそれぞれの意味や使い方を見ていくことにしましょう。
「指示」の意味や使い方
「指示」とは「これがそうだと指でさしなら示すこと」、「こうしなさいと具体的な説明で導き教えること」という意味がある言葉です。
このような解釈から、「上層部から指示が出た」という使い方ができます。
この場合は、「会社の役員などの経営幹部から具体的な活動すべきことの内容が指し示された」ということになります。
他には「この実績数字が景気の善し悪しを指示する」という使い方でも、見ることができます。
この場合も「指し示す」という意味合いがありますが、人からの「指示」ではなく、「数字やデータが景気という物事の状況を示す」という理解になります。
「指図」の意味や使い方
「指図」の意味は「物事のやり方などを指示・命令して人を動かすこと」、あるいは「その指示や命令」という解釈になります。
「理解しているのだから、あれこれとうるさく指図しないでくれ」というような使い方ができます。
「指示」と「指図」の違い
「指示」は「具体的な説明で指し示すこと」ことになり、「指図」も非常に似た意味に思えますが、「指図」には「人を動かすこと」という要素が含まれています。
「指図」には「図」という文字が含まれていますが、この漢字には「考えどおり」というニュアンスが込められています。
そのことからことから、半ば強制的に人を動かし物事を進めようとする思惑が感じ取れるのです。
このように「指図」は、このことに抵抗感を覚えたり、嫌な気持ちになったりするために、マイナス的な印象を与えてしまう可能性がありますので、この点が相違点として挙げられます。
「指示」と「指図」各々を使った例文と意味を解釈
では、ここで「指示」と「指図」を使った例文を見ながら具体的な活用シーンをイメージしてみることにします。
「指示」を使った例文と意味を解釈
「課長に仕事の進め方について、具体的な指示を仰ぐことにした」
ビジネスにおいても、自分の仕事の進め方が分からない時に、どのように進めて行けばいいのか「指示」を仰ぐことがあります。
また、自分の考えで進めている人でも、その考えが間違っていないかどうか、中間でチェックしていく意味で「指示」を仰ぐことは必要なことです。
「指図」を使った例文と意味を解釈
「上司に強引に指図されて、投げ遣りな気持ちになってしまった」
同じ仕事をするにしても、このような強引な「指図」では、反発心が生まれてきても不思議ではありません。
上司の立場にある人は、もっと指導する思いで部下に「指図」する必要があるでしょう。
まとめ
「指示」と「指図」の意味や使い方を紹介してきましたが、これらの言葉はビジネスシーンでよく登場するものの、使い方を間違えると、人の感情を該したり、人間関係を壊しかねないことになりますので、正しい使い方を理解していくことが大切です。