この記事では、システム運用における「可用性」と「信頼性」の違いを分かりやすく説明していきます。
「可用性」とは?
「可用性」とは、システムが正しく運用できている時間の指針に使われる言葉です。
数値やパーセンテージなどで表示される訳ではなく、これが高い、低いという使い方になり、この「可用性」が高いシステムとは、平均してきちんと運用できる時間が長いという意味になります。
例えば、100時間の稼動ごとに2時間のメンテナンスが必要なシステムと、100時間連続稼動ができる可能性が99%のシステムでは、前者は102時間に対し、きちんと運用できている時間が100時間なので約98%の稼働率になり、後者はそれが99%なので、後者の方が「可用性」が高いと表現することができます。
「信頼性」とは?
「信頼性」は、きちんとシステムが運用できるかどうかの安心度を表す言葉だと考えていいでしょう。
これがないことには、安心してそのシステムを使うことができません。
よって、先の「可用性」と共に高いに越したことはありませんが、少し考え方が異なり、上と同じ2つのシステムの例で考えた場合、100時間の稼動ごとに2時間のメンテナンスが必要にはなりますが、そちらの方が「信頼性」は高いと解釈することができます。
それは、100時間連続して稼動できる可能性が99%のシステムは、その間に止まってしまう可能性が1%ながら存在する為、安定性が先のシステムより劣ると考えられるからです。
連続稼動によって、その後に必ずメンテナンスが必要になるとしても、その時間までは必ず稼動できるというシステムの方が「信頼性」は高いということになります。
「可用性」と「信頼性」の違い
「可用性」と「信頼性」の違いは、このように実用できる実質的な(計算による)時間か、安定した稼動が可能な時間かという点です。
計算上は、「可用性」が高い方が効率的だと言えそうですが、確実な稼動が可能な時間を重視して「信頼性」の方が大事だという考え方もできる為、どちらの方が大切とは言えない問題です。
まとめ
これらの言葉、少しでも生産性を上げたい場合には「可用性」が大事になりますが、安定した生産には「信頼性」の方が必要だと言える関係になります。