「流動比率」と「当座比率」の違いとは?分かりやすく解釈

「流動比率」と「当座比率」の違い言葉・カタカナ語・言語

企業の財務状況を見極めるためには公開されている様々なデータを分析することが必要なのですが、その中でもわかりやすいのは流動比率と当座比率でしょう。

これらは特に、その企業が予期しない危機やチャンスに適時に対応できる力があるかどうか、またいかに安全な財務体質であるかを計る数字として知られています。

さて、ここで出てきた「流動比率」「当座比率」とはどういう意味でしょうか。

また、どのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、「流動比率」「当座比率」の違いを分かりやすく説明していきます。

「流動比率」とは?

「流動比率」とは?

「流動比率」とは、財務諸表の貸借対照表の「資産の部」に記載されている「流動資産」「負債の部」に記載されている「流動負債」で割ったものです。

「流動資産」が現金、預金、受取手形、売掛金、棚卸資産などの現金化が容易なものであるため、一般的には企業の短期的な支払い能力を示すものとして知られています。

英語では、「current ratio」と決まっています。

「当座比率」とは?

「当座比率」とは?

「当座比率」とは、財務諸表の貸借対照表の「資産の部」に記載されている「当座資産」「負債の部」に記載されている「流動負債」で割ったものです。

「当座資産」とは、「流動資産」のなかの「棚卸資産」等を除いた特に、すぐに現金化できる資産のことなので、より短期的な安全性を示すものだと言われています。

英語では、「quick ratio」と決められています。

「流動比率」と「当座比率」の違い

「流動比率」と「当座比率」の違い

「流動比率」「当座比率」の違いを、分かりやすく解説します。

この2つの言葉は、会社の財務諸表上に現れる資産の部の指標であることは同じです、また、「流動負債」に対する何かの割合であることも同じです。

違うのは、「流動比率」「流動資産」の、「当座比率」「当座資産」「流動負債」に対する割合であるということです。

「当座資産」「流動資産」の中でも現金化しやすいものなので、「当座比率」の方が、「流動比率」よりもより短期の支払い能力を判断する基準と言えます。

「流動比率」の例文

「流動比率」の例文

「流動比率」の例文は以下のようになります。

・『流動比率を上げることは企業の安全性を向上させることにつながります』
・『流動比率ばかりを重要視していると棚卸資産の評価が下がった時の危険を見ることができません』

「当座比率」の例文

「当座比率」の例文

「当座比率」の例文は以下のようになります。

・『当座比率はより現金化しやすい資産を基準にしているので、瞬発力を見るのに適しています』
・『当座比率を上げるためには、在庫管理の効率化が重要になります』

まとめ

まとめ

この記事では、「流動比率」「当座比率」の違いを、解説してきました。

この2つの指標は、会社の緊急事態への対応力や財務的な安全性を見るものであることは説明しましたが、他にもたくさんの指標があり、財務諸表からは様々な情報を得ることができます。

例えば、自己資本比率は会社が使用できる資本のうち、返済義務のない自己資本が占める割合のことですが、この指標も財務の健全性を示す重要なものです。