「戦略的撤退」と「敵前逃亡」の違いとは?意味を詳しく解釈

「戦略的撤退」と「敵前逃亡」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「戦略的撤退」「敵前逃亡」の違いを分かりやすく説明していきます。

「戦略的撤退」の意味や使い方

「戦略的撤退」の意味や使い方

「戦略的撤退」とは、考えがあって撤退することです。

その場ではそれによって状況が不利になったり、不利益を被ることがあるかも知れませんが、長い目で見みれば、ここではそうするのが正解だろうと考えた上で行われます。

軍事的な行動だけでなく、「ここは一端発売を止めるという戦略的撤退に出ることにした」などと、ビジネスにおいても使われる表現です。

この場合には、他社の競合製品の売れ行きが好調なので、それが落ち着くまで無理に競り合う必要はない(今一緒に発売していても勝つことができない)と考えてのことだと推測できます。

「敵前逃亡」の意味や使い方

「敵前逃亡」の意味や使い方

こちらの「敵前逃亡」は、敵を前にして逃げ出す行為の表現になります。

「敵前逃亡とは、何とも情けない」のような使われ方になり、まだ充分に戦える装備や体力がありながら、怖気付いて逃げ出してしまうことです。

軍隊において、そのような行為は軍律違反となる場合がほとんどで、後から処罰の対象となったり、場合によってはその場で味方に射殺されても仕方のない行為になります。

こちらもビジネスなどでも使われている言葉で、例えば、「他社が同様の製品を先に発売してしまったので、発売は取り止めにする。敵前逃亡だ」のような使い方になります。

この場合には、最初から勝ち目がないと思って行っているので、仕方のないことなのかも知れません。

「戦略的撤退」と「敵前逃亡」の違い

「戦略的撤退」と「敵前逃亡」の違い

「戦略的撤退」は、考えた上で行う撤退で、決して予定通りという訳ではないものの、主にそれ以上被害を増やさないように行われます。

それに対して「敵前逃亡」は、敵が目の前に居る状態からともかく逃げ出すことなので、同じ「逃げる」という行為でも、全く性質が異なります。

ただし、本当は「敵前逃亡」なのに、「戦略的撤退」だと偽るような場合もあるので、どちらなのかは後になってみないと分からないかも知れません。

「戦略的撤退」を使った例文と意味を解釈

「戦略的撤退」を使った例文と意味を解釈

「戦略的撤退」を使った例文と、その意味の解釈になります。

その場ではそう考えた行ったとしても、結果的にただの「敵前逃亡」だったという場合もあります。

「生産を止めるのは戦略的撤退だと言っていたが、あまりいい選択だとは思えない」

考えがあって生産を止めると言っているものの、そうしない方がいいのではと使っています。

いくら考えた上でのことでも、それが正解とも限りません。

「敵前逃亡」を使った例文と意味を解釈

「敵前逃亡」を使った例文と意味を解釈

こちらは「敵前逃亡」を使った例文と、その意味に解釈になります。

戦時中の日本軍においては、このような行為は死罪とされていたようです。

「前戦から敵前逃亡した兵士が、昨日捕まったらしい」

敵を前にして逃げ出してしまうようでは、何の為の兵士なのか分かりません。

多くの軍隊において、どう考えても勝てないと思った場合でも、まずそれはできない決まりとなっています。

まとめ

まとめ

「戦略的撤退」「敵前逃亡」は、このように違う言葉です。

考えがあっての「戦略的撤退」だからと言って、全てがいい結果に繋がるものでもありません。