「具体的」と「明白」は類似した意味を想起してしまう紛らわしい言葉ですが、「具体的」と「明白」の意味・使い方の違いを正しく理解できていますか?
この記事では「具体的」と「明白」の例文も紹介しながら、それぞれの意味の違いを分かりやすく説明していきます。
「具体的」の意味や使い方
「具体的(ぐたいてき)」という表現は、「実際に形態・内容を備えていて直接に経験(知覚)して知ることができる」や「観念的ではなく個々の現実の事物に対応しているさま」を意味しています。
「具体的」の使い方は「具体的に説明しないと分かりません」のように、「観念的な一般論ではなく、個々の実際の事物・経験に即している場合」に使うという使い方になります。
「明白」の意味や使い方
「明白(めいはく)」という表現は、「事実であることが明らかで疑う余地がないさま」や「事実・真偽が明らかになること」を意味しています。
「明白」は「頭脳・文章などの働き(内容)が明らかではっきりしているさま」という「明晰(めいせき)」とほぼ同じ意味も持っています。
「明白」の使い方は「仕事が失敗したことは明白な事実でした」のように、「事実であることが明らかで疑うべきところがない場合」に使うことができます。
「具体的」と「明白」の違い
「具体的」と「明白」の意味の違いを、分かりやすく解説していきます。
「具体的」というのは、「観念的・抽象的な一般論ではなく、現実の個々の事物(実体を備えた事物)に対応していてはっきりしているさま」を意味しています。
それに対して、「明白」という言葉は「事実であることが明らかで疑念を挟む余地がないさま」を意味しているという違いがあります。
「具体的」という表現は、「実体がない観念的なものではない」や「実体のある事物に即していてはっきり知ることができる」に意味の重点があります。
しかし、「明白」という表現は「事実であることが明らかで疑うべき要素がないこと」に意味の重点が置かれている違いを指摘できます。
そのため、「明白な事実」というと「事実であることの確実性」を意味しますが、「具体的な事実」というと「(一般論ではない)リアルの事物や実際の経験に即している事実」を意味することになる違いがあります。
「具体的」を使った例文と意味を解釈
「具体的」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「化学物質を合成する科学実験の具体的な方法を教えてもらいました」
この「具体的」を使った例文は、「具体的」の表現を、「科学実験の実際の事物(材料・器具)に対応した方法を教えてもらった」という意味で使っています。
「明白」を使った例文と意味を解釈
「明白」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
「彼女が見え透いた嘘をついていることは、誰の目から見ても明白でした」
この「明白」を使った例文は、「明白」の表現を、「誰の目から見ても、彼女が嘘をついていることは明らかで疑うべき余地がありませんでした」の意味を持つ文章で使っています。
まとめ
「具体的」と「明白」の意味の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「具体的」というのは、「実体(形・内容)を備えていてはっきりと分かること」や「観念的ではなく実際の個々の事物に即しているさま」を意味しています。
それに対して、「明白」という表現は「事実であることが明らかで疑う余地がないさま・明らかになること」や「明晰」の意味を持っています。
「具体的」と「明白」の意味の違いを詳細に調べたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。