この記事では、「諸事情」と「私情」の違いを分かりやすく説明していきます。
「諸事情」とは?
「諸事情」とは物事に関わる様々な理由や都合のことです。
なにかの理由となる事柄が一つや二つではなく無数にあるので説明しきれず一纏めに扱う言葉であり、様々な理由があると伝えているだけで、それが誰のどんなことが理由になっているかは説明しません。
そのため理由や都合を明らかにしたくないからぼやかすために使われることもあります。
「私情」とは?
「私情」とは個人的な感情、特に自分勝手であったり自分本位な心を指す言葉です。
そのため本来は物事の理由や都合という意味で使われない言葉ではありましたが、ビジネスシーンでは私用や私事あるいは一身上の都合と同じように、個人的な事情という意味で使う人も増えています。
「諸事情」と「私情」の違い
「諸事情」と「私情」の違いを、分かりやすく解説します。
様々な都合や理由を指す言葉が「諸事情」で、個人的な感情や個人的な理由を指す言葉が「私情」です。
「諸事情」はその様々な理由がどんな物事から発生しているかは明らかにしていません。
それに対して「私情」は当人の個人的な事柄が理由だと発生源がはっきりしています。
また「諸事情」は理由となる事柄が複数あるという意味なのに対し、「私情」は数については触れていないので理由が一つの場合も複数の場合にも使える言葉です。
「諸事情」の例文
・『諸事情により仕様が変更されるかもしれません』
・『避難してきた人達の諸事情に慮る必要があるだろう』
「私情」の例文
・『私情で仕事を遅らせてはいけない』
・『私情により明日は有給を取らせていただきます』
まとめ
「諸事情」は事情がいくつかあるけれどそれらはどこに理由があるのか明らかにしていない、「私情」は事情の数は問わないけれどその理由はその人個人にあることを明らかにしているという違いがあります。
とは言え「私情」を個人の感情ではなく個人の事情という意味で使うのは、紛らわしく違和感を覚えさせる言葉遣いなので注意が必要でしょう。