「人々」と「方々」は類似する意味を持つ言葉ですが、細かな意味合いが違っていたり、他の意味で使われたりする場合があるため使い分けが必要です。
この記事では、「人々」と「方々」の違いを分かりやすく説明していきます。
「人々」とは?
「人々」は「ひとびと」と読む言葉で、「数多くの人たち」「それぞれの人たち」を示します。
漢字の「人」には「人間」「人柄」「性質」といった意味があります。
「々」は「同じ漢字を繰り返す際に使う符号」で、「同の字点」あるいは「ノ」と「マ」が組み合わさって見えることから「ノマ点」と呼びます。
「方々」とは?
「方々」には「かたがた」「ほうぼう」の二通りの読み方があり、読み方によって意味に違いがあります。
「かたがた」と読む場合は「人々の敬称」を意味するほか、「〜がてら」のように「二つの行為を兼ねておこなうこと」という意味で使用されます。
「ほうぼう」と読む場合は「あちこちの場所」「様々な方角」を意味します。
「方」は「向き」「分野」「土地」「他者を呼ぶ敬称」を表し、「々」は同じ漢字を重ねて用いるときに使う符号になります。
「人々」と「方々」の違い
「人々」と「方々」の違いを分かりやすく解説します。
「人々」は「数多くの人たち」を意味し、複数の人を表現する際に使用します。
一方、「方々」は読み方によって意味が異なります。
「方々(かたがた)」は「人々の敬称」で、「多くの人たち」をより丁寧に表す際に使います。
また、「二つの行為を兼ねておこなう」という意味も持っています。
「方々(ほうぼう)」の場合は「いたるところ」「あちこちの場所」を示し、広い範囲にわたる場所を表す際に使用します。
「人々」の例文
「人々」は「〜の人々」などのように使います。
社会情勢やビジネスの分野をはじめとした多くの場面で使用されている言葉です。
・『その災害は現地の人々に大きな影響を及ぼした』
・『わが社は人々の生活に直結する製品を販売しています』
「方々」の例文
「方々」を「かたがた」と読む場合は「〜の方々」や「〜方々」のように使い、「ほうぼう」と読む場合は「方々〜する」のように用います。
・『出席された方々からメッセージを頂戴しました』
・『近いうちに、ご挨拶方々お礼に伺います』
・『近頃のマイブームは方々ドライブすることです』
まとめ
「人々」は「多くの人たち」を示し、「方々」は「人々の敬称」「二つの行為を兼ねておこなうこと」「あちこちの場所」を示します。
「方々」に二種類の読み方がある点も押さえておきましょう。
ぜひ両者を使い分ける参考にしてください。