この記事では、「刺身用」と「加熱用」の違いを分かりやすく説明していきます。
「刺身用」とは?
「刺身用」【さしみよう】は、販売されている生鮮食品のうち生で食べられるものを指した言葉です。
食品衛生法により、小売店が魚介類を販売する際、生食ができる商品には「刺身用」のように生で食べられることを表示することが義務付けられています。
生鮮食品は食中毒のリスクがあり、刺身は生で食べられる新鮮な魚介を使用しなければなりません。
そのため、生で食べられる新鮮な魚介はパッケージに「刺身用」あるいは「生食用」や「生で食べられます」などと表示することが定められているのです。
「刺身用」と表示されている鮮魚の中には、おろしていない1尾丸ごとで販売されているものもあれば、家庭で刺身が造りやすよう柵(さく)になっているものもあります。
「加熱用」とは?
「加熱用」【かねつよう】とは、販売されている牡蠣(かき)のうち生で食べられないものを指した言葉です。
「加熱用」は食品衛生法によって義務付けられている表示のひとつであり、「加熱用」と表示されている牡蠣は必ず加熱して食べる必要があります。
海に生息する貝には雑菌が含まれており、雑菌が多く付着した貝は食中毒のリスクが高くなっています。
雑菌は加熱で殺菌できますが、牡蠣は生で食べることがあるため、指定された衛生的な海域でとれ牡蠣で検査の基準を満たしたものだけが「生食用」として販売されます。
そして、指定された海域以外でとれた牡蠣は「加熱用」として販売されます。
加熱して食べる場合は「生食用」を選ぶ必要がありません。
「生食用」は販売されるまでに洗浄や殺菌などの下処理が必要になりますがめ、「加熱用」はその工程がない分、身がふっくらして味も濃厚とされます。
つまり、牡蠣フライや鍋など過熱して牡蠣を食べる場合は「加熱用」を選んだほうが、より美味しく牡蠣を味わうことができるのです。
「刺身用」と「加熱用」の違い
「刺身用」と「加熱用」の違いを分かりやすく解説します。
「刺身用」「加熱用」は、スーパー等の鮮魚コーナーで目にする食品表示です。
これらの違いは「生で食べられるかどうか」の違いになります。
「刺身用」という表示は、魚介が新鮮で生で食べられることを示しています。
「生食用」「刺身にできます」などと文言が違っていても意味は同じです。
一方、「加熱用」は指定された海域以外でとれた牡蠣で生食の対象外になっていることを示しています。
加熱すれば安心して美味しく食べられますが、生食をすることはできません。
なお、「刺身用」「生食用」などの表示がない場合は、「加熱用」と表示がなくても加熱して食べる必要があるとみなします。
まとめ
「刺身用」「加熱用」は食品衛生法によって義務付けられている食品表示の一種です。
これらの違いは「生で食べられるかどうか」になります。
安全に生鮮食品を食べるためにも、食品表示に従って調理をしましょう。