「腐る」と「朽ちる」はどちらも「ものの状態」に関係する言葉ですが、詳細な意味合いが異なるため注意が必要です。
この記事では、「腐る」と「朽ちる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「腐る」とは?
「腐る」は「くさる」と読む言葉で、「生き物の体などが微生物によって分解または破壊されて変質すること」「食べ物などが傷むこと」を意味します。
また、「気持ちが落ち込む」「精神が堕落する」といった意味で使われる場合もあります。
「朽ちる」とは?
「くちる」と読む「朽ちる」は「物などが腐り、その形状が崩れること」を意味する言葉です。
そのほか、「人などの評判が衰退すること」や「人生がむなしく終わること」などのような意味で用いられるケースもあります。
「腐る」と「朽ちる」の違い
「腐る」も「朽ちる」も「物などの状態が変化すること」という意味を含む点は共通していますが、次のような違いがあります。
「腐る」は「人間や動物などの体の組織が微生物によって分解・破壊されて変質すること」を意味するほか、「食品が微生物の働きによって変質し、食べることが不可能な状態になること」という意味も持っています。
また、「落ち込んだり、やる気がなくなったりすること」「精神が度し難いほど堕落すること」といった比喩的な意味で用いられることもあります。
一方、「朽ちる」は「物などが腐って形が崩れること」を意味し、特に草や木、建物などに対して使用されます。
加えて、「評判などに勢いがなくなって衰える」「むなしく人生が終わること」などの比喩表現としても使われます。
「腐る」の例文
・『魚は冷蔵庫に入れておかないと腐る』
・『試験に落ちて気持ちが腐る』
・『あいつは性根が腐っている』
「朽ちる」の例文
・『古い家屋が雨などに侵食されて朽ちる』
・『彼の名声はスキャンダルによって朽ちてしまった』
・『その画家は世に出ることなく朽ちたが、死後に多くの作品が評価された』
まとめ
「腐る」は「人間や動物などの体の組織が微生物によって分解・破壊されて変質すること」「食品が傷むこと」などを示し、「朽ちる」は「物などが腐って形状が崩れること」などを示します。
双方共に上記以外の比喩的な意味を持っている点を覚えておきましょう。