この記事では、ウイルス性の病気における「キャリア」と「既感染者」の違いを、分かりやすく説明していきます。
「キャリア」とは?
「キャリア」とは、その病気のウイルスを体内に保有している人のことです。
つまり、感染中ということになりますが、まだ何も症状が出ていない場合にこの言葉で表現されます。
何の症状も出ていないので、一見ではその病気にかかっていると分かりませんが、その状態から人にうつしてしまう可能性があります。
そして、うつした先の人が先に発病するということも珍しくなく、本人もいつ発病するか分かりません。
「既感染者」とは?
「既感染者」とは、以前にその病気のウイルスにかかったことがあり、完治した人のことです。
ウイルス性の病気は、原則的に完治後には抗体ができます。
その抗体が有効な期間は病気によって様々ですが、その間には再び同じウイルスにかかることはありません。
この抗体が有効な期間中を、そのウイルスの「既感染者」と表現します。
また、抗体が有効でなくなった後も、かかったことがあるという意味で使われる場合があります。
「キャリア」と「既感染者」の違い
「キャリア」と「既感染者」の違いを、分かりやすく解説します。
「キャリア」は、病気のウイルスを保有している状態の人に対して使います。
まだ発症前ながら、その状態から人にうつしてしまう可能性が充分にあります。
「既感染者」は、一度そのウイルスにかかったことがある人のことで、抗体ができていることから、再び同じウイルスにかかることはないと考えていいでしょう。
ただし、ウイルス検査で陽性反応から陰性反応に変わったとしても、完全に治りきっておらず、一時的に反応が弱まったというだけのこともあるので注意が必要です。
その場合には、「既感染者」にはなっておらず、抗体もできていないので、再び陽性反応に変わってしまうことも少なくありません。
まとめ
「キャリア」と「既感染者」は、このような違いになる言葉です。
「キャリア」のうちに治療するには、その為の治療薬が必要になります。
それが確立されていないウイルスの場合には、「キャリア」だと分かったとしても、これという治療が行えないのが医療上の難点です。