「文化遺産」と「文化財」の違いとは?分かりやすく解釈

「文化遺産」と「文化財」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「文化遺産」「文化財」の違いを分かりやすく説明していきます。

「文化遺産」とは?

「文化遺産」とは?

「文化遺産」とは人類が文化的活動によって作り出した有形無形の成果物の中でも、一際文化的もしくは歴史的な価値があり、後世に残すべきものです。

城や寺社に聖堂のような大きな建築物もあれば、古代の彫刻家が作った彫像もありますし、とある国の民族が延々と続けている風習や習慣が「文化遺産」と認められることもあります。

「文化遺産」は文化として残すべき価値はありますが、金銭的な価値があるとは限りません。

その国の歴史的には重要であっても、欲しがる人がいない、わざわざ他の国や地域から観光に来るほどではないなどで、商業的に無価値ということもあります。

逆に歴史的建造物や仏像などは物としても価値はありますが、値段が付けられません。

金銭的な価値とは無関係に、国際的に見ても後世に残すべき文化的な価値のある有形無形のものが「文化遺産」です。

「文化財」とは?

「文化財」とは?

「文化財」とは人の文化的活動によって作られたものの中でも、歴史的や芸術的な価値があるものです。

例えば歴史的な画家が描いて数億円で取引されているような絵画は間違いなく「文化財」と言えます。

他にも建築物や民族音楽なども「文化財」ですし、祭りや昔から伝わる地域独自の生活用品と言った日常に根付いた物も「文化財」として扱われる物です。

ただし「文化財」は、その国やその土地、自治体にとっては重要であっても、他の国から見れば文化や歴史、芸術的な価値がないものもあります。

しかし他の国や地域から見て価値があろうとなかろうと、その国や地域にとって価値があるなら、それは有形無形に関わらず「文化財」と言えるでしょう。

「文化遺産」と「文化財」の違い

「文化遺産」と「文化財」の違い

「文化遺産」「文化財」の違いを、分かりやすく解説します。

「文化遺産」「文化財」は、特定の文化を持つ地域で営まれる様々な活動の中で生まれた、形のあるなしに関わらず、文化的や歴史的、美術的価値のあるものです。

その上で「文化遺産」は後世に残すべきだと国際的に認められているものであり、「文化財」は国や地方自治体など、その文化を持つ地域が所属している公的機関に認められたものを指します。

通常「文化遺産」は、その国が誇る文化として認めたものを、他の国にも認めてもらうために申請するので、「文化遺産」は全て「文化財」と言えるでしょう。

ですが「文化財」は地域での重要性は高くても、他の地域ではその価値を理解してもらえないこともあるので、「文化財」「文化遺産」とは限りません。

まとめ

まとめ

どちらも文化的な活動で生み出された文化的価値があるものなので、「文化遺産」「文化財」は一緒の物として扱われることは非常に多いです。

ですが「文化遺産」はその地域だけでなく他の地域や他国からも守り遺すべき文化だと認められる必要がありますが、「文化財」はその地域だけでも価値があると認めていれば、他の地域に認められなくても「文化財」と言えます。