「近世」と「近代」は類似の歴史的な時代区分を連想させる紛らわしい二つの言葉ですが、「近世」と「近代」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「近世」と「近代」の意味の違いを分かりやすく説明していきます。
「近世」とは?
「近世(きんせい)」という時代区分の言葉は、「東洋史・西洋史で中世の後で近代の前に位置づけられている歴史的な時代区分」を意味しています。
「近世」とは「日本における江戸時代(安定した武士・幕藩体制による統治)」を示していますが、世界史では「世俗主義・市民社会(封建的支配の弱まり)・世界地図の拡大」などを特徴とする16~17世紀頃を意味しています。
「近代」とは?
「近代(きんだい)」という時代区分の言葉は、「古代・中世・近世の後に位置づけられる現代に近い歴史的な時代区分(現代そのものも近代に含むことがある)」を意味しています。
「近代」とは「日本における明治維新以降の時代」を示していますが、世界史では「国民国家・資本主義・市民社会(国民主権)・立憲主義・個人主義(自由主義)」などを特徴とする18~20世紀頃を意味しています。
「近世」と「近代」の違い!
「近世」と「近代」の違いを、分かりやすく解説します。
「近世」は「近代よりひとつ前の時代区分」を意味していて、日本では「江戸時代」に相当します。
世界史の「近世」は、「宗教改革とルネサンス(文芸復興の世俗主義)・大航海時代における世界地図の拡大」などを特徴とする16~17世紀の市民社会・資本主義が勃興した時代を意味しています。
「近代」は「近世よりも後の時代・現代に近いとされる時代(現代を含むこともある)」を意味しているという「近世」との違いがあります。
日本における「近代」は幕藩体制が崩壊した「明治維新以降の時代」を意味していて、世界における「近代」は、「1648年のウェストファリア条約(主権国家の条約)・1789年のフランス革命(国民国家の誕生)」から始まったとされています。
まとめ
「近世」と「近代」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「近世」という言葉は、「中世の後で近代の前に位置づけられている歴史的な時代区分」や「日本における江戸時代」を意味しています。
それに対して、「近代」というのは「古代・中世・近世の後に位置づけられる現代に近い歴史的な時代区分」や「日本における明治維新以降の時代」の意味を持っています。
「近世」と「近代」の意味の違いを詳しく知りたい時には、この記事の内容をチェックしてみてください。