「分散」と「拡散」は類似した意味合いを連想させる紛らわしい二つの言葉ですが、「分散」と「拡散」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「分散」と「拡散」の意味の違いを分かりやすく説明していきます。
「分散」とは?
「分散(ぶんさん)」という化学用語は、「溶けない物質(不溶性物質)を、液体の中で満遍(まんべん)なく広げて散らばらせること」を意味しています。
「分散」は「粒子状のもの以外のもの(微塵切りにしたスープ中のニンジンなど)」が、液体中で広がって散らばっている状態に対しても使えます。
「分散」には、「一つのものが複数に分かれて散らばること」という意味もあります。
「拡散」とは?
「拡散(かくさん)」という化学用語は、「溶ける物質(可溶性物質)が、液体の中で自然に散らばって周りに広がるさま」や「ある物質が液体中で広がって元には戻らないさま」の意味を持っています。
「拡散」の典型的な現象として、「固形の絵の具(墨汁)が水の中に溶けて広がるさま」を挙げることができます。
「拡散」には、「一つのものや液体などがぶわっと周囲に広がるさま」という意味もあります。
「分散」と「拡散」の違い!
「分散」と「拡散」の違いを、分かりやすく解説します。
「分散」も「拡散」も「物質が液体の中で散らばる様子」を意味している言葉ですが、「分散」は「不溶性の溶けない物質が液体中で散らばること」、「拡散」は「可溶性の溶ける物質が液体中で広がること」を意味しているという違いがあります。
科学的・化学的な観点からの「分散」と「拡散」の大きな違いは、「分散」は「実際は液体に溶けてはいなくて時間経過で元の状態に戻る(溶液と物質が分離する)」が、「拡散」は「実際に液体に溶けていて元の状態には戻らない」ということにあります。
まとめ
「分散」と「拡散」の違いを詳しく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「分散」という表現は、「溶けない物質を液体の中で一様に広げて散らばらせること」や「分かれて散らばること」を意味しています。
それに対して、「拡散」というのは「溶ける物質が液体の中で自然に散らばって周囲に広がるさま」の意味を持っています。
「分散」と「拡散」の違いを知りたい時には、この記事の内容をチェックしてみてください。