「埒外」と「埓が明かない」は似たような意味を連想する混同しやすい二つの言葉ですが、「埒外」と「埓が明かない」の意味の違いを正しく理解できているでしょうか?
この記事では、「埒外」と「埓が明かない」の意味の違いを、分かりやすく説明していきます。
「埒外」とは?
「埒外(らちがい)」とは、「対象外・対象の範囲外・外側・あるルールや物事の外」のことを意味しています。
「埒外」の「埓(らち)」という言葉は「牧場や馬場を囲っている柵」が原義であり、「物事の区切り・決まり」といった意味を持っています。
例えば、「彼女の理想の埒外でした」や「埒外の提案は却下します」などの例文で使用できます。
「埓が明かない」とは?
「埓が明かない(らちがあかない)」という慣用句は、「事態が進展しないこと・問題が解決に向かわないこと(問題に片がつかないこと)」の意味を持っています。
「埓が明かない」の由来は、加茂の競べ馬で競争用の柵が開くまで待ちきれない観客が言った言葉にあるとされます。
あるいは、春日大社の祭礼で、金春太夫(こんばるだゆう)が祝詞(のりと)を読み終わるまで神輿の柵が開かずに、観衆が中に入れなかったことに由来するとも言われています。
「埒外」と「埓が明かない」の違い!
「埒外」と「埓が明かない」の違いを、分かりやすく解説します。
「埒外」と「埓が明かない」は、「埓」という漢字が共通していますが、それぞれまったく異なる意味を持っている言葉です。
「埓(らち)」というのは、「物事の区切り・決まり」や「馬場・牧場を囲い込む柵」を示しています。
「埒外」というのは、「柵の外」の原義から「対象外・範囲外・ある物事(ルール)外側」といった意味合いになります。
「埒外」に対して「埓が明かない」という慣用句的な表現は、「事態が進展しない・問題が解決しない」というまったく違う意味を持っているのです。
まとめ
「埒外」と「埓が明かない」の意味の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「埒外」という言葉は、「対象外・範囲外」のことを意味しています。
「埓が明かない」という表現は、「事態(問題状況)が解決に向けて進展しないこと」の意味を持っています。
「埒外」と「埓が明かない」の意味の違いを詳しく知りたい時には、この記事の解説をチェックしてみてください。