この記事では、「爵位」と「位階」の違いを分かりやすく説明していきます。
「爵位」とは?
「爵位」(しゃくい)とは、かつて存在した貴族としての階級です。
1947年に日本国憲法に違反しているとして廃止になりましたが、これを与えられていた人は旧華族がそのほとんどで、上から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の5階級とされていました。
このうち、上の2つの公爵と侯爵は、立候補さえずれば参議院議員になれるという特権があり、男性にのみ与えられたものでした。
他の国でも同じように階級制で存在していことがありますが、時代の流れと共に、現在ではほとんどの国で廃止されています。
「位階」とは?
「位階」(いかい)とは、「爵位」より以前の奈良時代から存在した階級制度のことで、一番最初のものは律令制によって制定されました。
当時のものは30階級制になっており、それが明治時代には16階級制に改められ、「爵位」と並行して使われていた時期があります。
こちらも1947年に実質的に廃止となりましたが(付与されていても、効力がなくなりました)、現在でも功労者に対し、その名誉の証として与えられることがあります。
叙勲という形での付与となり、先の16階級制ですが、これによって何かの権力などをもつということはありません。
「爵位」と「位階」の違い
「爵位」と「位階」の違いを、分かりやすく解説します。
「爵位」は、明治時代から1947年までに元の大名や華族に対して与えられていた貴族としての階級(特権)のことで、「位階」は、もっと以前から存在していた階級制度です。
これらが並行していた時代でも、同時に与えられることはなく、例えば、「位階」が「正二位」(上から3番目)だと、「爵位」の「侯爵」に相当する特権があったという具合に使われていました。
現在でも、「位階」は叙勲として与えられることがありますが、それによる特権などは特に存在せず、名誉という意味での付与に留まっています。
まとめ
「爵位」と「位階」には、このような違いがあります。
共に日本の昔の階級制度のことだと覚えておきましょう。