「表現」と「描写」の違いとは?意味を詳しく解釈

「表現」と「描写」の違い言葉・カタカナ語・言語

「表現」「描写」は類似した意味を持つ言葉です。

「表現」という表現は「芸術的な表現の解釈は難解です」といった文章で使い、「描写」という表現は「彼女の人物を描写する描画能力は素晴らしい」といった文章で使われますが、「表現」「描写」の意味の違いはどこにあるのでしょうか?

「表現」の意味や使い方

「表現」の意味や使い方

「表現」という言葉は、「心理(精神)・感情・理念(思想)などの内面的な観念や気持ちを、外面的に他者にも伝わる形で客観化すること、表すこと」を意味しています。

「表現」というのは、「自分の内面にあるものを、言語・記号・表情・身振り・造形物・作品などを通して外部に表すこと、他者にも分かるように客観化すること」を意味している表現なのです。

「表現」の言葉の使い方は「表情で怒りを表現する」などのように、「自分の内面にある観念・気持ちなどを、外面的・客観的に表す場合」に使うという使い方になります。

「描写」の意味や使い方

「描写」の意味や使い方

「描写」という言葉は、「主に言語(文章)・絵画・音楽などを手段として、物の形態や状態・人物の姿・現象・感情を外部に向けて表現すること」を意味しています。

「描写」というのは、「人が言葉や絵画、音楽などを用いて、人物・物事・現象・気持ちなどを表現すること」を意味している表現です。

「描写」の表現の使い方は「働いている人の姿を鉛筆で素早く描写した」というように、「人物の姿・物事の状況・気持ちなどを、文章・絵画・音楽などの作品的な手段を用いて外部に表現する場合」に使うという使い方になります。

「表現」と「描写」の違い

「表現」と「描写」の違い

「表現」という言葉は、「自分の内面にある観念・感情・イメージなどを、文章・絵画・ジェスチャー・表情・造形物などあらゆる手段を用いて外部に表現すること」を意味しています。

それに対して、「描写」という表現は「自分が見た人物・物事や自分が感じた気持ちを、主に言葉・絵画・音楽などの人為的な作品の制作を通して表現すること」を意味しているという違いがあります。

「描写」には、「表現」のような「顔の表情・身体のジェスチャー(動作)を用いて、内面にある気持ちを生理的・情緒的に表す」という意味合いはありません。

「文章・絵画などの作品」を用いて物の形や内面の気持ちを表現する「描写」は、「広義の表現(表現手段)の一種」として解釈することができるのです。

「表現」を使った例文と意味を解釈

「表現」を使った例文と意味を解釈

「彼女は冷たくてそっけない素振りで、私を受け入れない気持ちを表現しました」

この「表現」を使った例文は、「表現」という言葉を、「冷たくてそっけない態度で、私を受け入れない気持ちを外面的(身体動作的)・客観的に表した」という意味合いで使用しています。

「描写」を使った例文と意味を解釈

「描写」を使った例文と意味を解釈

「彼がスケッチで描写した海辺の景色は、とても美しくていつまでも見ていたくなります」

この「描写」を使った例文は、「描写」という表現を、「彼がスケッチ(絵画・描画)で他者にも見えるように表現した海辺の景色」という意味で使っています。

まとめ

まとめ

「表現」「描写」の意味の違いについて説明してきましたが、「表現」の言葉には「自分の内面にある観念・気持ちなどを、あらゆる手段を用いて外面的に表す」に意味の重点があります。

それに対して、「描写」の表現には「主に文章・絵画・音楽などの作品を通して、自分の内面にあるものを表現する(描写は表現方法の一つとして解釈できる)」に意味の重点があります。

「表現」「描写」の意味の違いを正しく理解して、内容や事例・状況に応じて適切に使い分けるようにしましょう。