この「観点」と「視点」は、基本的に同じ意味ですが、若干の違いが存在します。
「観点」の意味や使い方
「観点」(かんてん)とは、物を見る角度、物の見方という意味になる言葉です。
ここでの角度は物理的なそれだけでなく、どちらの立場からといった意味も含みます。
「観点が変わると~」のような使い方が多く、見方を変えると~の意味になります。
「観点が悪い」、「観点が違うから~」などと、同じ物でも見方を変えてみる、変えて欲しいという時に用いられることが多いです。
「視点」の意味や使い方
「視点」(してん)も、物の見方という意味で使う言葉で、「視点を変えると~」のように、「観点」と置き換えて用いることができます。
ほとんど同じ意味だと解釈して構いませんが、「観点」と使った方が大きい意味で表現することになると考えてください。
例えば、世界的な問題の見方を変えるという場合には「観点」と使う方が向いており、ある絵画の捉え方といったような時には「視点」と用いた方がいいでしょう。
ただし、逆にしても意味が通じない、または誤用だという訳ではなく、その方が向いているという程度の違いなので、そこまで厳密な使い分けが必要だということもありません。
「観点」と「視点」の違い
この2つの言葉は、ここまでの説明のようにほぼ同じ解釈になり、対象の大きさで使い分けるという程度の違いしかありませんが、「視点」の方にはもう1つの意味があります。
それは、見るポイントそのものという解釈で、「視点を少し右にずらして見て」といったように使われた時にはこの意味だと分かります。
このような使い方の場合は「観点」と言い換えることはできず、「視点」独特のもう1つの意味です。
ここが2つの言葉の大きな違いだと言っていいでしょう。
「観点」を使った例文と意味を解釈
「観点」を使った例文と、その意味の解釈になります。
ビジネスでもまま見聞きする言葉です。
「簡単次第では、そう見えなくもない」
見方を変えるとその通りにも思えるといった使い方になっています。
物の見方は人それぞれですが、時には違う角度から見てみることも大切になるでしょう。
「視点」を使った例文と意味を解釈
こちらは「視点」を使った例文と、その意味の解釈になります。
「視点」ならではの意味の方で使っている例文です。
「この眼鏡ではうまく視点が合わない」
一般に「度が合わない」と言っているのと同じで、物の見えるポイントがうまく合っていない時にこのような使い方ができます。
「視点が定まらない」としても同じで、眼鏡やコンタクトなどによる視力の矯正時だけでなく、寝ぼけていて~のような使われ方もよく見聞きします。
まとめ
「観点」と「視点」は、基本的には同じ意味だと考えて構いませんが、「視点」の方は、物の見えるポイントそのものという別の意味も併せ持っている言葉という違いがあると覚えておきましょう。