この記事では、「態勢」と「体制」の違いを分かりやすく説明していきます。
「態勢」とは?
ある物事や情勢に対してとる構えを「態勢」と言います。
発生しうる事態に対して対応すべき準備が整っている状態を意味する言葉です。
それぞれの状況に応じた準備や緊急時に応じた準備などを行っている状態が「態勢」となります。
このような意味から「態勢」の類語には、「出様」や「素振り」、「出方」、「姿勢」、「態度」などがあります。
「態勢」の使い方
「態勢」の使い方には、「態勢をとる」や「態勢を整える」、「態勢を立て直す」などがあります。
また、「万全の態勢」、「厳戒態勢」、「受け入れ態勢」など、「態勢」を用いた言葉はたくさんあります。
「体制」とは?
各部分が統一的に組織され一つの全体の形を作っている状態が「体制」となります。
このほか、「体制」には、社会が一定の原理によって組織だてられている状態やその時代の社会を支配する権力といった意味があります。
このように様々な意味があるものの、一般的には組織や制度を意味しているものとなります。
このような意味から「体制」は、「構成」や「構造」、「組織」、「システム」、「仕組み」などと言い換えることができます。
「体制」の使い方
「体制」の使い方には、「体制をとる」や「体制を整える」、「体制を立て直す」などがあり、ほぼ「態勢」と同じ使い方となります。
また、「体制の見直し」や「臨戦体制」、「新体制」など「体制」を用いた言葉がたくさんあります。
「態勢」と「体制」の違い
全く異なった意味を持つ「態勢」と「体制」。
「態勢」とは、その時、その時の状況に応じた構えや準備を意味し、発生するかもしれない事態に備え準備しておくことを意味する言葉です。
一方、「体制」は、継続的な構成や様式を意味し、特に社会の組織における継続的なものを意味する言葉となります。
そのため、「態勢を整える」と「体制を整える」とでは意味が異なり、前者は、「万が一に備え準備を行う」ことを意味し、後者は、「組織を整える」といった意味となります。
「態勢」の例文
・『大規模災害の発生により、緊急に当院でも受け入れ態勢を整えることになりました。』
・『爆破予告があった大学では、学生を避難させた後、厳戒態勢が敷かれています。』
・『我が子を迎えるにあたり、ベビーグッズなど万全の態勢を整えました。』
・『緊急事態の発生によって、24時間態勢をとることになりました。』
「体制」の例文
・『社長が変わり、会社に新体制が整えられました。』
・『定年間近の私にとって、会社が新しい体制を取るようになりついて行くのに一苦労です。』
・『このままでは、業績が悪化するばかりです。体制の見直しが必要ではないでしょうか。』
・『思い切って、ここで、体制の見直しを行ってみてはいかがですか。』
まとめ
以上が「態勢」と「体制」の違いです。
同じような用いられ方を行う言葉ですが、意味は全く異なるため、間違って使用しないよう注意が必要です。