この記事では、「恐れ多い」【おそれおおい】と「恐縮」【きょうしゅく】の違いを分かりやすく説明していきます。
「恐れ多い」とは?
「恐れ多い」とは、目上の人に対して、失礼になる行為したときに申し訳ない気持ちを強く伝えるときに使われています。
出すぎたまねをしたとき恐縮してしまうさまを伝えられる言葉です。
元々は貴人や尊敬する位の高い人に対して身分の低い者がでしゃばった行動したり、発言することは大変申し訳ないという気持ちを伝える言葉でした。
現代では会社を立ち上げ、顔となる社長や重役に対し、部下であるのに発言することを「口にするのも恐れ多い」と表し、発言したいと思う気持ちを伝えるときに使います。
発言する文頭に付けて使うことが多く、立場の高い人のご厚意を大変申し訳なく思い、受け入れていいものか迷いますが、恐縮ながら入れる人のさまを言い表せる言葉にもなります。
「恐縮」とは?
「恐縮」とは、問題を起こした自分の行動を人に責められたときに感じる恐怖心で、ひどく身がすくむさまを意味します。
ありえないような失敗をしたとか、人が驚くような問題を起こしたとき気恥ずかしく感じて肩に力を入れたり、身をすくめるようにして自分がいかに申し訳なく感じているかを体で表します。
身のすくむような気持ちになるほど相手のご厚意ある言葉や行動に対して気持ちを表せる言葉となります。
こんな自分でも気にしてくれて嬉しいと思いつつ、特別扱いされることに抵抗する人が見せます。
他の使い方としては、相手の力が強いと分かったとき恐れて足が動かなくなり、身がすくむ状態を表すときに使われていますし、伝染病が流行り、自分もいつ感染するか分からないときは「恐縮する」と言い、いかに怖い気持ちに包まれているかを表します。
「恐れ多い」と「恐縮」の違い
「恐れ多い」と「恐縮」の違いを、分かりやすく解説します。
権力がある者や、立場が上の偉い人から受けたご厚意に対して申し訳なくて受け入れるか迷うときに使うのが「恐れ多い」で、相手の行為に対してありがたいと思いつつもどこか緊張してしまい、身がすくむときに使うのが「恐縮」です。
「恐れ多い」は社長や上司などなかなか手が届かないような位の高い人に対して部下が持つ気持ちになりますが、「恐縮」は年齢が近く、同じ場所で働く先輩や同年代の社員に対しても使える言葉です。
「恐れ多い」の例文
・『大変恐れ多いことですが、ありがたく頂戴いたします』
・『私にとって社長からの支援は恐れ多いことでありますが、ご厚意を無駄にせず、受け入れたく存じます』
顔を合わせることすらなかなかできない偉い立場の人が、自分のために購入した贈り物を受け取るときは恐縮しつつも受け取る気持ちを相手に伝えるときや、特別に自分だけ支援してもらえることに「恐れ多い」と感じつつ、ご厚意は無駄にするのは失礼だと感じる気持ちを伝えます。
「恐縮」の例文
・『私事のために多忙なところご出席頂き誠に恐縮でございます』
・『誠に恐縮ではございますが、今回は見送らせていただきます』
自分のために、お金と時間を費やしてまで来てくれたことに大変申し訳なく感じる気持ちを丁寧に伝えたいときに使ったり、事情により参加できない無礼を謝るときにも謝罪の意味も込めて使われています。
まとめ
相手へ本当に申し訳ない気持ちを本気で伝えられるだけではなく、自分が一歩下がって失礼がないように謝罪する気持ちを表せるのが「恐れ多い」で、本当に心から謝罪している心を伝えられるのが「恐縮」です。
相手はどのような立場の人なのか謝罪するタイミングを考えて、どちらを使えばいいか考えて使ってみるといいでしょう。