結婚式などの挨拶でよく使う言葉があります。
例えば、勤めている会社の同じ課の人たちからの電報の最後には「〜課社員一同」などと書きますし、逆に新郎からの挨拶の最後には「夫婦共々ご指導ご鞭撻よろしくお願いします」が決まり文句です。
それでは、この「一同」や「共々」とはどういう意味でしょうか。
また、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「共々」と「一同」の違いを分かりやすく説明していきます。
「共々」とは?
「共々」とは、「ともども」と読み、「?も一緒に」という意味で、改まった場面での挨拶の中でよく使われる言葉です。
「共」という漢字が、「一緒」、「仲間」、「同じ」という意味なので、「共々」でくくられるのは密な間柄である事が多いと言えます。
通常は前に関係を表す名詞を置き、後には、お礼やお願いの文章が続来ます。
英語では関係を示す言葉をそのまま使うか「together」をつけて使用します。
「一同」とは?
「一同」とは、「他の人たちやグループを代表して」という意味でよく使われる言葉で、主に改まった席での挨拶文の最後に付け加えられます。
元々の意味としては「同じである事」で、通常は同じ会社、グループ、親族、友人、有志など、何かを同じにしている人たちの集まりのことです。
英語では「we all」というのが同じシチュエーションで使われる言葉です。
「共々」と「一同」の違い
「共々」と「一同」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、複数のものを代表する言葉であるという部分では同じですが、その数が違います。
「共々」は普通2人あるいは2つのグループを代表する形である事が多いのですが、「一同」はもっと多い人数やグループになります。
例えば、「夫婦共々」、「弊社と子会社共々」に対して、「社員一同」や「家族一同」になります。
もう一つ大きな違いは後に続く言葉です。
「共々」の後にはほとんどの場合は、「よろしくお願いします」のようなお願いの言葉が続きますが、「一同」の場合は、それで終わりか、「より」のような接尾語がくるだけで、後に文章が来ることはあまりありません。
「共々」の例文
「共々」の例文は以下のようになります。
・『今後とも夫婦共々よろしくお願いいたします』
・『今回出席できなかったパートナー共々お礼を申し上げます』
「一同」の例文
「一同」の例文は以下のようになります。
・『おめでとうございます、社員一同』
・『家族一同より』
まとめ
この記事では、「共々」と「一同」の違いを、解説してきました。
これらの言葉は、一見簡単で、一般的な言葉のように見えますが、ここまで説明して来たように、使われるシチェーションがかなり限定されるものです。
つまり、それ以外のケースで使用すると間違いだということになります。
それはこの2つの言葉の間にも言えることで、これらはともに改まった場面で使われる事が多いのですが、入れ替えると間違いになってしまうケースがたくさんあるので、十分に気をつけるべき言葉であると言えます。