読み方が同じ「ひなん」となる「避難」と「非難」について、違いを詳しく説明していきます。
「避難」の意味や使い方
「避難」は、「災難から逃げる」という意味で使う言葉です。
自然災害や人的なものなど様々な災難と呼べるものがその対象となり、「火山灰から避難する」のような使い方から、「こちらに飛び火しそうなので早めに避難しよう」といったような、誰かの怒りが自分にも向きそうだという時にも使うことができます。
「逃げる」ことの表現になる為、「避難する」がその災難から「逃げる」、「避難しよう」は「逃げよう」、「避難警告」は「逃げるようにという警告」という解釈になります。
「非難」の意味や使い方
こちらの「非難」は、対象の間違いや欠点を指摘して「責める」ことですが、本当に間違いや欠点がある場合だけでなく、使う側がそれだと思った時に使われる言葉なので、その非難が必ずしも正しい(内容)だとは限りません。
散々非難された人や内容が、後から実は正しかったということも少なくありません。
そのいい例が「モンティ・ホール問題」と呼ばれる数学的な検証で、簡単に説明すると、3つのうち1つが当たりだというシチュエーションにおいて、1つの選択時に残りの2つのうちの1つの外れが開示され、まだ当たりか外れか分からない残りの1つに選択を変えても構わないと言われた時に、変えるべきかという問題です。
一見では変えても変えなくても当たる確率は1/2だと思えますが、実は変えた方が当たる確率が倍になることが後から分かり(これについての詳しい説明は略します)、絶対に変えた方がいいという意見に対して非難が集中したものの、それが分かった後になって一斉に謝罪を受けたという有名な話があります。
つまり、どれだけ非難を浴びている人物や対象だとしても、必ず間違いや欠点があるとは限らないのです。
「避難」と「非難」の違い
このように、「避難」と「非難」は読み方こそ同じですが、全く意味が違う言葉になります。
後から説明した「非難」の方は、「批難」と表記することもできます。
こちらは「非難する」(責める)、「非難される、~を受ける・浴びる」(どれも責められるとなります)、「非難対象」(責められる対象)といったような形でよく使われます。
「避難」を使った例文と意味を解釈
「避難」を使った例文と、その意味の解釈になります。
自然災害が多かった年には、よくこの言葉をテレビで耳にしました。
「すぐに避難しないと危険だと放送があった」
何かしらの震災の際にこのような行政放送があった場合には、すぐ避難することを考えないといけません。
まだ大丈夫だろうなどとたかを括っていると、大変なことになってしまう場合があります。
「非難」を使った例文と意味を解釈
「どれだけ人から非難されようと、考えを変える気はない」
自分がそうだと思っている考え方を、何があっても絶対に変えないという決意の表現になります。
時にはそれも大事ですが、明らかに間違っていると分かった時には考え直すような柔軟性も必要です。
まとめ
「避難」と「非難」は読み方が同じというだけで、全く違う言葉だと覚えておきましょう。