この記事では、「インク」と「墨」の違いを分かりやすく説明していきます。
「インク」とは?
「インク」とは、「文字を書いたり表面に色付けしたりする用途で用いる顔料・染料を含んでいる液体(ジェル・固体)」のことを意味しています。
「顔料のインク」は「紙に付着することで色をつける性質」を持っていますが、「染料のインク」は「紙に染み込むことで色をつける性質」を持っています。
「インク」は大きく、「油性インク」と「水性インク」に分けられます。
「油性インク」は長時間使わずに保存するとインクが固まってしまう短所があり、「水性インク」は長期保存に適しているが水に濡れると文字・絵図が滲んでしまう短所を持っています。
「墨」とは?
「墨(すみ)」とは、「紀元前3000~2000年頃の古代中国で発明された油煙・松の煙・煤と膠(にかわ)・香料を混ぜて固めて作った固形の水性黒色インク、固形墨(こけいぼく)」のことを意味しています。
「墨」は「固形墨」だけではなく、「固形墨を硯で水と一緒に磨りおろして(すりおろして)つくった黒色の液体、墨汁(ぼくじゅう)・液墨(えきぼく)」のことも意味しています。
現代の「墨」には、鹿などの動物由来の膠の代わりに、「ポリビニルアルコール」といった合成樹脂を使用したものも増えています。
「インク」と「墨」の違い!
「インク」と「墨」の違いを、分かりやすく解説します。
「インク」も「墨」も「文字を書いたり色をつけたりする際に用いる色(主に黒色)のついた液体」ということでは共通していますが、「インク」は「印刷・カラフルな色付けの用途」もあるのに対して、「墨」は基本的に「書道・水墨画の用途のみ」に用いられる違いがあります。
現代では「墨」も「広義の水性インクの一種(顔料を含んだ固体・液体の一種)」として解釈されますが、「墨」は紀元前3000~2000年頃の古代中国で発明された黒色のインクなのです。
「インク」は一般的に「液体」の形をしていますが、「墨」は「固体(=固形墨)」の形をしていて「硯(すずり)」で磨ってから使用するという大きな違いも指摘できます。
まとめ
「インク」と「墨」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「インク」とは「筆記・印刷などに用いる顔料・染料を含んでいる液体(ジェル・固体)」を意味していて、「墨」は「古代中国で発明された油煙・松の煙や煤と膠(にかわ)を混ぜて固めることで作られた固形の黒色インク、その固形墨を硯で磨ってつくった黒色の液体」を意味している違いがあります。
「インク」と「墨」の違いを詳しく知りたい時は、この記事をチェックしてみてください。