この記事では、「部族」と「民族」の違いを分かりやすく説明していきます。
「部族」とは?
「部族(ぶぞく)」とは、「一定の領域に居住していて共通の文化・習慣・宗教・言語などを持つ、比較的小規模な人々の集団」や「近代民族国家を形成する段階にまで進歩していない未開的・原始的な人間集団」を意味している言葉です。
「部族」には「文化人類学が研究対象としてきた、近代的ではない未開社会のような暮らしをしている人間集団」といった差別的なニュアンスもあるので、現在では「古代の民族・その民族の氏族的下位集団」という意味で使われることが多くなっています。
「民族」とは?
「民族(みんぞく)」とは、「共通の文化・言語・宗教・生活様式などを持っていて、集団帰属意識によって結ばれている人間集団の最大単位」を意味している言葉です。
「民族」という言葉は、「部族・種族よりも集団の人口規模・領域範囲の大きな人間集団で、近代的な民族国家を形成する進歩発展の段階にあるもの」のことを意味しているのです。
「民族」とは、「一定以上の文化的な共通性を持ち、われわれ意識で結合して近代国家を形成する可能性を持っている比較的規模の大きな人間集団(共同体的集団)」のことを意味する表現なのです。
「部族」と「民族」の違い!
「部族」と「民族」の違いを、分かりやすく解説します。
「部族」と「民族」は現在では明確に意味の区別をすることが難しくなっていますが、「部族」には「近代的な民族国家を形成する段階にはない未開社会・原始的社会の人間集団」という意味の差別的ニュアンスがあります。
「部族」も「特定の地域内に居住していて、共通の言語・文化・宗教などをもつ人間集団」のことを意味していて定義的には「民族」に非常に近いのですが、「部族」は「近代国家を形成しない・経済や物質文明が発達していない未開社会の人々の集団」といった意味合いを持っている違いを指摘できます。
「部族」に対して「民族」は、「部族よりも規模が大きく近代国家を形成する段階にある、共通の文化・言語・宗教・慣習を持つ共同体的な人間集団」を意味しているという違いがあります。
まとめ
「部族」と「民族」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「部族」とは「文化人類学が研究対象としてきた、未開社会において共通の文化・言語・宗教などを持つ人間集団」を意味していて、「民族」は「共通する一定の文化的言語的特徴を基準として他と区別される共同体的な集団」を意味しているという違いがあります。
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