この記事では、「対比」と「対照」の違いを分かりやすく説明していきます。
「対比」とは?
「対比」には3つの意味があります。
1つめは、2つのものを並べて、互いに違う部分をみることです。
ある兄弟のことで考えてみます。
兄は勉強ができて優しい性格です。
弟は勉強が苦手でやんちゃな性格です。
この2人は、勉強ができる・できない、性格が優しい・やんちゃというところに違いがあります。
こういった違う部分を調べてみることを「対比」といいます。
2つめの意味は、性質な量などが違うものを並べたとき、2つのものの違いがはっきりわかるほど目立つ現象です。
暗い色をいくつか並べたとき、その暗さは目立ちませんが、暗い色と明るい色を並べるとその違いがはっきりとします。
このような現象を意味しています。
3つめは、離れた地域にある地層が互いに同じ時代であるかを決めることです。
この作業には鍵となる地層や化石などを使用します。
「対比」の使い方
2つのものを比べるという意味で使用をします。
同じ部分を探すことではなく、違う部分を探すことをいいます。
「対照」とは?
「対照」には2つの意味があります。
一つは、2つの物事を見比べることです。
日本語に訳されている書籍には、もととなるものがあります。
それを原文といいます。
日本語に訳されているものと原文を見比べてみることを「訳文を原文と対照する」といいます。
もう一つの意味は、まったく性質が違うものを並べたとき、その違いがはっきりわかるほど目立つことです。
柔らかいアイスクリームの中に、サクサクとしたクッキーが入っていると、アイスクリームの柔らかさがより一層際立ち、クッキーのサクサク感がより一層際立ちます。
このような現象を意味しています。
「対照」の使い方
2つのものを照らし合わせることという意味で使用します。
2つのものの違いを見ること、2つのものの違いが際立つことをいいます。
同じところを見ることではありません。
「対比」と「対照」の違い
2つのものの違いを見るという意味では同じです。
ダイエット前の体型とダイエット後の体型を「対比」するとも、「対照」するともいえます。
どちらの言葉も2つを比べることであり、3つ以上のことではありません。
違いがはっきりすることという意味では「対照」の方がよく使われます。
「対比」の例文
・『従来のユニフォームと新しいユニフォームを対比する』
・『過去の自分と現在の自分を対比する』
・『月と太陽を対比させた作品』
・『対比が面白い』
「対照」の例文
・『2人の性質は対照だ』
・『明るい部分と暗い部分が対照をなす』
・『対照となるように配置する』
・『対照をはっきりみせたい』
まとめ
2つのものの違いを見るという意味が同じです。
どちらの言葉も、この意味では同じように使用することができます。
2つのものの違いがはっきりするという意味では、「対照」の方がよく使われています。