「もとい(元い)」 と「改め」の違いとは?分かりやすく解釈

「もとい(元い)」 と「改め」の違い言葉・カタカナ語・言語

話や文章の流れが大きく変わる節目に使われる言葉として「もとい(元い)」「改め」があります。

どちらもそれまで話していた内容がガラリと変わるときに使われますがこのふたつはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「もとい(元い)」「改め」の違いについて解説します。

「もとい(元い)」とは?

「もとい(元い)」とは?

「もとい」「間違った意味を正しい意味に訂正する」という意味を持つ言葉です。

一般的にはそれまでの話や文章の内容が間違っていた事に気づき訂正するときに使われます。

「もとい」には「これまでの内容が間違っていた」「これから正しい内容に訂正する」という2つの意味を持つ言葉です。

過去を否定し未来の正当性を主張するのが「もとい」であり単に過去の内容が間違っていたことを伝えるだけで訂正が無い場合は「もとい」はふさわしくありません。

「もとい」の語源は「元に戻す」だという説があります。

ゆがみ間違ってしまった内容をあるべき正しい内容に戻すのが「もとい」の本来となります。

現在ではそこから転じて「本筋からそれてしまった話の流れを本題に戻す」という意味でも「もとい」が使われています。

前の内容が間違っていても「もとい」と発すればそれまでの内容が間違いでありこれから正しく訂正することをたった一言で伝えられます。

「もとい(元い)」の使い方

・予算は2千円、もとい2千万円です。

・全部で5人、もとい6人です。

・おしぼりでござる、もといおしぼりでございます。

・納期は6月、もとい7月です。

「改め」とは?

「改め」とは?

「改め」とは「新しいものに変えること」です。

「改め」には現状をより良い状態にするというニュアンスがあります。

一般に「改め」という場合はそれ以前よりも改善されていることが多く、現状より悪くなるときに「改め」はあまり用いられません。

「改め」の語源は「新た(あらた)」だとされています。

現在では新しいを「あたらしい」と読みますが本来の読みは「あらたしい」でした。

時代が経つにつれて発音しやすいように読みが変化していきましたが「改め」にはよみ的にも意味的にも「あらたしい」の名残が見られます。

古いものから新しいものへの置き換えや変化が「改め」の指すところです。

本来はグレードダウンや時代を逆行するような変化は「改め」ではありません。

話や文章で「改め」が使われるときは「姿勢を正して再度」という意味になることもあります。

この場合は気分や態度を一新というニュアンスで「改め」が使われています。

「改め」の使い方

・勘太郎改め六代目勘九郎を襲名する。

・改めましてこんにちは、火曜パーソナリティーの竹内です。

・不適切な内容を改めさせる。

・後日改めてご挨拶に伺います。

「もとい(元い)」と「改め」の違い

「もとい(元い)」と「改め」の違い

「もとい」「間違いを正しく訂正」するなので過去に何らかの間違いや失敗があることが前提です。

「改め」「新しく変えること」なので必ずしも過去が間違いや失敗である必要はありません。

それまで順調だったものを更なる改善のために変化させるようなケースも含まれます。

「もとい」は修正で「改め」は改善と本質的な意味合いに違いがあります。

まとめ

まとめ

「もとい(元い)」「改め」何食意味の言葉ですが本質に決定的な違いがあります。

細かいニュアンスの違いを理解して正しく使い分けてください。