この記事では、「メッカ」と「エルサレム」の違いを分かりやすく説明していきます。
「メッカ」とは?
「メッカ」は、サウジアラビアにあるイスラム教の聖地のひとつです。
サウジアラビアの西部ヒジャーズ州にある主要都市で、紅海沿岸に位置しています。
サウジアラビアには「メッカ」と「メディナ」の2つの聖地がありますが「メッカ」が第一の聖地とされ、格別な場所となっています。
これは「メッカ」がイスラム教の開祖で預言者のムハンマドの出身地であり、彼が初めて啓示を受けた場所でもあるためです。
イスラム教徒には1日5階の礼拝をおこなう習慣がありますが、その際は「メッカ」にあるカーバ神殿の方向に向かって礼拝することが決まっています。
また毎年、国の最重要行事として「ハッジ」と呼ばれる巡礼がおこなわれ、世界中から多くの巡礼者が押し寄せます。
「メッカ」は教徒にとって生活に密着した格別な場所であり、足を運ぶことはこの上ない喜びともされているのです。
また都市名の「メッカ」以外に、「ある分野における特別な場所」「憧れの地」という意味で「○○のメッカ」という表現が使われることも少なくありません。
これは聖地「メッカ」に巡礼者が集まる様子から生まれた比喩的な表現ですが、サウジアラビアからはこのような使われ方は本意ではないとの声も挙がっています。
「エルサレム」とは?
「エルサレム」は、三大宗教の聖地として知られるイスラエルの都市です。
イスラエルの西部エルサレム地区の主要都市で、内陸の小高い丘陵地帯に位置しています。
紀元前千年頃には古代イスラエル王国の都市として栄えました。
市内にはユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地が混在し、イエスキリストが処刑された場所としても知られています。
「エルサレム」に異なる宗教の聖地が存在するのは、これらが同じアブラハムの流れをくんでいるためです。
しかし、それぞれが聖地を主張するために宗教紛争が繰り広げられてきました。
現在も「エルサレム」の帰属をめぐってイスラエルとパレスチナの衝突が続いています。
ちなみに、国際社会は首都をテルアビブと認識していますが、イスラム政府は「エルサレム」が首都だと主張しています。
2017年に米国の元首相が首都は「エルサレム」だと承認したことから「イスラエル」と米国がパレスチナの反感を買う問題が起きています。
「メッカ」と「エルサレム」の違い
「メッカ」と「エルサレム」の違いを、分かりやすく解説します。
「メッカ」はサウジアラビアにある都市で、イスラム教の聖地として知られています。
「エルサレム」はイスラエルにある都市で、三大宗教の聖地として知られています。
「メッカ」と「エルサレム」はどちらも西アジアにある都市で、聖地として神聖化されているところは同じです。
ただし国、信仰されている宗教が異なります。
「メッカ」と「エルサレム」はどちらもイスラム教の聖地とされますが、「メッカ」は開祖者のムハンマドの出身地であるため最大の聖地とあがめられています。
また「メッカ」は巡礼者が集まる場所であることから「人が集まってくる特別な場所」の例えに使われますが、「エルサレム」はそのような使われ方はされません。
まとめ
「メッカ」と「エルサレム」は、海外にある地名ということで、おおよその位置や地名はわかっても、詳しいプロフィールまでは知らないという人も多いでしょう。
どちらも古い歴史を持つ有名な聖地です。
社会ニュースでも目にする地名なので、どのような都市か把握しておくことをおすすめします。