この記事では、「延いては」と「強いては」の違いを分かりやすく説明していきます。
「延いては」とは?
「延いては」は「ひいては」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「ある原因によって別の結果が起こること」という意味で、あることが原因となり、別の問題や結果が生じることを言います。
2つ目は「ものごとが今よりも発展すること」という意味で、1つ目の意味に加え、更なる方面に影響を及ぼすことを言います。
3つ目は「ものごとが今のまま推移すること」という意味で、あることを押し進めた結果、その状態がどんどん大きくなっていくことを言います。
上記に共通するのは「ある状態が原因となって続いていく」という意味です。
「延いては」の使い方
「延いては」は「ある原因によって別の結果が起こること」「ものごとが今よりも発展すること」「ものごとが今のまま推移すること」という意味で使われます。
副詞として使われ、動詞「引く」の連用形「引き」に接続助詞「て」が付き「ひきて」になり、強調の意味で「は」を付けた「ひきては」が変化した言葉です。
基本的に、ある状態が原因となり、次第に大きくなっていく時に使われる言葉です。
「強いては」とは?
「強いては」は「しいては」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「無理を押して」という意味で、元の状態にあえて逆らって行動することを言います。
2つ目は「ひたすら、どこまでも」という意味で、ある状態をむやみに続けることを言います。
上記に共通するのは「強引に押し進める」という意味です。
「強いては」の使い方
「強いては」は「無理を押して」「ひたすら、どこまでも」という意味で使われます。
副詞として使われ、動詞「強いる」の連用形「強い」に接続詞「て」と強調の意味の「は」が付いたものです。
ただし、辞書には「強いては」という言葉はなく、正しくは「強いて」になります」 これは、上記で紹介した「延いては」と混同して使われる様になったためで、「強いては」は誤用なのです。
基本的に、元の状態や反対に逆らって、むやみに押し進める様子に使われる言葉です。
「延いては」と「強いては」の違い
「延いては」は「ある状態が原因となり、次第に大きくなっていく様子」という意味です。
「強いては」は「元の状態や反対に逆らって、むやみに押し進める様子」という意味です。
「延いては」の例文
・『人の為にしたことが、延いては自分の為になる』
・『しっかり自粛を続けることが、延いては感染症を減少させる』
・『サービス向上に努めることが、延いては売上増加につながる』
・『適度な距離を保つことが、延いては夫婦円満につながる』
「強いては」の例文
・『どちらも悪いけど、強いては君の態度だね』
・『彼に文句はない、強いてはオタクなところかな』
・『どのスポーツも好きです、強いては野球ですかね』
・『飲みに行くのは賛成です、強いては週末希望です』
まとめ
今回は「延いては」と「強いては」について紹介しました。
「延いては」は「ある状態が広がる」、「強いては」は「無理に押し進める」と覚えておきましょう。