この記事では、「見栄を切る」と「見栄を張る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「見栄を切る」とは?
「見栄を切る」は「みえをきる」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「歌舞伎で役者が決めポーズすること」という元の意味です。
2つ目は上記から転じて「自分の能力を誇示する言動をすること」という意味で、人前でいい所を見せようとして無理することを言います。
上記に共通するのは「目立とうとする」という意味です。
「見栄」は「見得」から変化した言葉で、更に元をたどれば「見える」という言葉になります。
「見得」とは、歌舞伎役者が見せ場で、動作を一瞬止めて派手なポーズを取って目立つ様子から使われる様になりました。
「切る」は「刃物で傷つける」という意味の他に、「勢いよくふるまう」という意味があり、「見栄を切る」で、「勢いよく目立つポーズを取る」→「自分を誇示する」という意味で使われる様になりました。
「見栄を切る」の使い方
「見栄を切る」は「歌舞伎で役者が決めポーズすること」「自分の能力を誇示する言動をすること」という意味で使われす。
動詞として「見栄を切る・切った」と使われたり、副詞として「見栄を切って」と使われたりします。
基本的に、歌舞伎では役者が派手なポーズをとること、日常では目立とうとして自分を誇示する様にふるまうことに使われる言葉です。
「見栄を張る」とは?
「見栄を張る」は「みえをはる」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「外見を着飾ること」という意味で、外見を飾り立てて自分を良く見せようとすることを言います。
2つ目は「うわべを取り繕うこと」という意味で、本来の自分よりも能力を高く見せようとする様子を言います。
上記に共通するのは「自分を良く見せる」という意味です。
「張る」には「ピンと強く伸ばす」という意味の他に、「突っ張る」「頑張る」などの意味があり、「見栄を張る」で「目立とうとして頑張ること」になります。
「見栄を張る」の使い方
「見栄を張る」は「外見を着飾ること」「うわべを取り繕うこと」という意味で使われます。
動詞として「見栄を張る・張った」と使われたり、副詞として「見栄を張って」と使われたりします。
基本的に、自分を良く見せようとして強い態度を取る様子に使われる言葉です。
「見栄を切る」と「見栄を張る」の違い
「見栄を切る」は「歌舞伎では役者が派手なポーズをとること」「日常で目立とうとして自分を誇示すること」という意味です。
「見栄を張る」は「自分を良く見せようとして強い態度を取る様子」という意味です。
「見栄を切る」の例文
・『彼女は社長令嬢だと見栄を切った』
・『彼はプロジェクトを必ず成功させると見栄を切った』
・『明日にはトラブルを解決させると見栄を切ってしまった』
・『先輩は飲み代を全部自分で払うと見栄を切った』
「見栄を張る」の例文
・『見栄を張って彼氏がいると言ってしまった』
・『彼女は見栄を張っていつもブランド品を身に付けている』
・『見栄を張らなくていいから割り勘しよう』
・『このメンツで見栄を張る必要ないんじゃない?』
まとめ
今回は「見栄を切る」と「見栄を張る」について紹介しました。
「見栄を切る」は「目立とうとする」、「見栄を張る」は「自分を良く見せる」と覚えておきましょう。