この記事では、「進捗」と「進展」の違いを分かりやすく説明していきます。
「進捗」とは?
物事が順調にどんどん進むことです。
物事が進むことであり、人が歩いて前進するといったことではありません。
家を建てることで考えてみます。
一軒家を建てる場合、まずは土地を整備しなければなりません。
上に家をのせてもくずれないようにしたり、傾いたりしないようにします。
そして、基礎を作り、柱を立て、屋根をのせ、壁を作り、配線を通してといったことをします。
しかし、台風や大雪などがあると、こういった工事ができなくなります。
そうすると、家が建つまでに時間がかかってしまいます。
家を建てるという作業が順調に進まなくなってしまうのです。
「進捗」はこのような状態を指しているのではありません。
家の場合だと、いつまでにどの程度の作業を終えていると、ある程度計画があります。
この計画通りに進んでいれば、順調に進んでいるといえ、こういった状態を「進捗」といいます。
「進捗」の使い方
物事がどんどん進むことについて使用をします。
滞らずに、順調に進むことをいいます。
物事について使用をし、人が前に進むことには使用しません。
「進展」とは?
時間の経過に伴い物事が変化をして、新たな局面があらわれることです。
恋愛のことで考えてみます。
1人の男性と1人の女性がいました。
この人たちは、最初は同じ大学で同じ授業を受けているという間柄でした。
ある事をきっかけに会話をするようになり、少しずつ仲良くなっていきました。
そして、ついに恋人同士という仲になりました。
最初は同じ授業を受けている人だったものが、時間の経過に伴い恋人という関係になっています。
新たな局面を迎えたのです。
こういった、物事の状況が変わることを意味しています。
「進展」の使い方
時間の経過に伴い、物事の状況がこれまでとは違ったようになることを指して使用します。
時間が経過していても、何も変わっていないことではありません。
物事について使用します。
「進捗」と「進展」の違い
どちらの言葉にも、すすむ、すすめるという意味を持つ「進」という漢字が使用されており、似たような意味を持っているように感じますが、同じ意味ではありません。
前者は順調に進むことをいいます。
「捗」という漢字には、はかどるという意味があります。
後者は新たな局面があらわれることをいいます。
「展」という漢字には、のびる、ひろがるという意味があります。
「進捗」の例文
・『進捗状況を確認する』
・『進捗を報告する』
・『進捗しています』
・『進捗率は20%』
「進展」の例文
・『進展はみられなかった』
・『関係が進展した』
・『結婚の話に進展がみられた』
・『医学は進展している』
まとめ
どちらも進むという意味合いがありますが、同じ意味の言葉ではありません。
一方は順調に進むこと、もう一方は新たな局面に進むことです。