この記事では、「進捗」と「推進」の違いを分かりやすく説明していきます。
「進捗」とは?
「進捗」【しんちょく】とは、作業などの進み具合、はかどり具合という意味の言葉です。
使われている漢字の意味を見てみると、「進」はすすむ、目標に向かって動いていくことを意味し、「捗」は作業がはかどることを表しています。
これらの漢字を組み合わせた「進捗」は、目標に向けておこなっている作業がはかどっている状況を示しています。
一般には、作業が実際にどれくらい進行できたか、その「はかどり具合」を指す用語として使われています。
「進捗」は日常生活で使うことはほとんどなく、ビジネスシーンで作業工程が順調に進んでいるか確認する際に使われています。
「進捗」が意味する進み具合、はかどり具合は「どこまで完成したか」を表す「達成度」とはまた異なるものです。
一般に「進捗状況」や「進捗率」と呼ばれ、作業がスケジュールの予定通りに進んでいるかを表す指標となっています。
言い換える場合は「前進」や「はかどり具合」「進み具合」など平易な言い回しを使ってもわかりやすいでしょう。
「進捗」の例文
・『悪天候が続いたため、道路工事の進捗が3日遅れている』
・『プロジェクトの進捗状況をメンバー全員で共有する』
「推進」とは?
「推進」【すいしん】とは、ものを前へおし進めること、企画や事業などが達成できるよう努める、働きかけることです。
漢字の「推」は前に向かっておし動かすことを、「進」はすすめることを意味しており、これらの漢字を組み合わせた「推進」はものを前に向かって進めていく状況を表しています。
「推進」には異なる二つ意味があります。
一つは、物理的に物を前へ動かす、進めることです。
主に、エンジンで動く乗物が前進することを指し「○○が推進する」と表します。
もう一つは、ある目標の達成に向け、それに伴う企画や事業がはかどるよう働きかけることです。
「○○の推進活動をおこなう」などの使い方をします。
類語には、ものが進むことを意味する「前進」や、はたらきが良くなるように促す「促進」などがあります。
「推進」の例文
・『海で小型ボートを推進させる』
・『自宅でのリモートワークを推進する』
「進捗」と「推進」の違い
「進捗」と「推進」の違いを、分かりやすく解説します。
「進捗」は、作業の進み具合やはかどり具合のことです。
「推進」は物を前に向かって押し動かすこと、あるいは目標の達成に向けて企画などがはかどるよう努めることです。
「進捗」の状況は、作業がどれくらいはかどっているかの指標です。
一方「推進」は前に向けてものをおし進める行為を指しており、互いの意味は大きく異なっています。
まとめ
「進捗」と「推進」は、どちらも「進」がつくので見た目はよく似ていますが、意味にははっきりした違いがあります。
「進捗」は日常の会話ではほとんど使うことがなく、間違った読み方がされやすい言葉です。
ビジネスシーンではしばしば目にするので、言葉の意味を覚えておくとよいでしょう。