同じ意味としても用いられることが多い「通常」と「普通」。
この記事では、「通常」と「普通」の違いを分かりやすく説明していきます。
「通常」とは?
「通常」は、特別なことがない状態を意味します。
世間一般にみられる状態を意味し、いつも通りのことを意味する言葉となります。
いつも通りの生活、いつも通りの行動、いつも通りの状況、それらが「通常」となり、この場合の中身は、良いものでも悪いものでも関係はありません。
とにかく、いつもと変わらなければ「通常」となります。
このような意味から「通常」は、「本来」や「本当なら」、「普段は」、「通じて」、「平凡」、「原則として」などと言い換えることができます。
また、「通常」には、「臨時」や「非常」、「異常」といった対義語があります。
「通常」の使い方
「通常」を用いた言葉はたくさんあります。
「通常国会」や「通常ブラウザ」、「通常通りの営業」、「通常時」、「通常業務」、「通常水位」など、特別ではないことを示す言葉がたくさんあります。
「普通」とは?
「普通」は特に変わらないことを意味する言葉です。
ごくありふれたことや当たり前のことを意味し、この場合、「普通」の基準は、自分自身のなかで決めていることも少なくありません。
他人や他のものと比べても特に変わりがないことや誰もがそう思うこと、誰もができること、といったことが「普通」となります。
このような意味から「普通」は、「一般的」や「常識的」、「ありきたり」、「月並み」、「平凡」、「何の変哲もない」などと言い換えることができます。
また、「普通」には、「希少」や「奇抜」、「異常」、「特別」といった対義語があります。
「普通」の使い方
「普通」を用いた言葉はたくさんあります。
「普通科」や「普通紙」、「普通預金」、「普通の家庭」など、何が「普通」なのかを表します。
「通常」と「普通」の違い
「通常」も「普通」も同じような意味を持つ言葉ですが、これらの言葉が表すニュアンスに違いがあります。
「通常」というのは、特別ではない当たり前の状況を意味し、「普通」は、特殊なことではない状況を意味します。
ほぼ同じ意味を持つ言葉ですが、少しの違いによって使い方が異なります。
例えば、「普通科」とは言いますが、「通常科」とは言いません。
また、「通常業務」とは言いますが、「普通業務」とは言いません。
「通常」の例文
・『通常ならば、その時間は家で寝ている時間です』
・『私は、通常6時には起きています』
・『当社は、お盆もお正月も休まず、通常通り営業しています』
・『明日の授業は、通常通りです』
「普通」の例文
・『よく母は、昔、普通が一番と私に言っていました』
・『私は工業高校と迷った結果、普通科のある高校への進学を決めました』
・『普通なら、とっくに到着しているはずなのですが』
・『私は、ごく普通の家庭に育ちました』
まとめ
「通常」と「普通」の場合、使われ方に大きな違いがあるため、その点に注意し適切な使い分けを行う必要があります。