この記事では、「本務」と「兼務」の違いを分かりやすく説明していきます。
「本務」とは?
本務とは、ほんむという読み方をすべき言葉です。
文字で表記されているのを見れば分かりますが、書籍や書物、模範となるべきものや真実といった意味を有する本の文字に、力を尽くすべき仕事やつとめといった意味を持つ務の文字を加える事で誕生した言葉となっています。
だからこそ本務とは、主たる職務や本来の任務といった意味を持つ言葉です。
「本務」の使い方
本務とは、その人がより責任を持って行うべき職務や任務といった意味を表す際に用いるべき言葉となっています。
なので具体的な使い方として良く見られるのが、本務を遂行するとか、本務に精を出す、という表現です。
これらの言葉は、本来果たすべき任務やつとめをしっかり行っているという意味合いを表す事が出来ます。
「兼務」とは?
兼務とは一般的には、けんむという読み方をすべき言葉となっています。
漢字で表記された文字を見れば直ぐに分かりますが、かけもちするとか他の官職をかねるといった意味を有する兼の文字に、尽力すべき仕事やつとめるといった意味がある務の漢字を付け足す事で成立している言葉です。
そのため兼務とは、複数の職務を兼ねる事といった意味を表す言葉となっています。
「兼務」の使い方
兼務とは、1人で2つ以上の職務を担当していたり、その状態を表す際に使われる言葉です。
本業とは別に、複数の職務を担当している事を表す言葉であり、兼務するという形で使われる事が多く見られます。
より具体的には、本業とは別の仕事内容や役割を担っている際にこの言葉が選択される事が多いです。
ただし本業とは別の肩書きを持っている場合には、兼務ではなく兼業という言葉が選択されたりします。
「本務」と「兼務」の違い
本務と兼務はシンプルに文字を比較すれば、最初の文字が本と兼という明確な違いがある事を見付けられるはずです。
しかもその文字の違いにより、言葉が表す意味にも違いが生まれています。
本務の方は、その人が本来行うべき役割とか主たる職務、本業といった意味を合いを表す際に使うべき言葉です。
一方の兼務は、1人で同時に2つ以上の職務をこなす事や、その状態を表す言葉となっています。
「本務」の例文
・『彼の立場なら、もっと本務に精を出すべきだ』
・『学校法人では、正規の教職員として採用されている者を本務と呼んでいます』
「兼務」の例文
・『本務が疎かになる位なら、兼務すべきではありません』
・『政治家と社長を兼務するのは、決して楽な事はでない』
まとめ
2つの言葉は互いに2つ目の文字が務であるため、少し混同してしまう人もいます。
ですが最初の文字が本と兼という明確な違いがあるので、表す意味合いさえきちんと理解すれば使い分けの際に迷う事はありません。
本務の方は、その人の本業や特に果たすべき役割や任務を表す際に使用すべき言葉です。
対する兼務の方は2個以上の職務を1人で担う事や、担っている様を表現する言葉となっています。