この記事では、「愛惜」と「哀惜」の違いを分かりやすく説明していきます。
「愛惜」とは?
「愛惜(あいせき)」とは、「対象となるモノ・人を粗末にせず大切にすること」を意味しています。
「愛惜」という言葉は、「気に入っているモノを手放すことを惜しむさま」を示しています。
「愛惜」の持つ意味として、「大事な人(愛している人)を失うことを惜しむ」や「過ぎ去っていく物事を名残惜しく思うこと」といった意味合いも挙げることができます。
さらに「愛惜」は、「好きな物事ににまだ心残りがあるさま・別れに際して未練の思いを残しているさま」の意味を持っています。
「哀惜」とは?
「哀惜(あいせき)」とは、「人が亡くなったことに対して悲しんで惜しむこと」を意味しています。
「哀惜」という言葉は、「もう生き返ることがない死んだ人のことを思い起こして悲しむさま」を示唆しているのです。
「哀惜」は、「哀惜の念を捧げる・哀惜の意を表する・哀惜の念に堪えない」などの慣用句的な表現で使われることが多くなっています。
類似の用法を持っている類語として、「哀悼(あいとう)・追悼(ついとう)」などを挙げることもできます。
「哀惜」の表現には、「失って(死んで)もう元に戻らないものに対して、悲しんだり惜しんだりする」といった意味のニュアンスが備わっています。
「愛惜」と「哀惜」の違い
「愛惜」と「哀惜」の違いを、分かりやすく解説します。
「愛惜」と「哀惜」は両方とも「あいせき」と読む同音異義語です。
「愛惜」の言葉が持っている意味の中心には、「(人やモノを)大事にしている・大切にしている」があります。
それに対して、「哀惜」の表現は「(亡くなった人や失ったものについて)悲しむこと・惜しむこと」といった意味に重きが置かれている違いを指摘できます。
「愛惜」には「大事にしてきたモノを手放すことを惜しむ」の意味がありますが、「哀惜」にはその意味はありません。
さらに「愛惜」の意味として「過ぎ去ったことを名残惜しく思う」がありますが、「哀惜」には「名残惜しい・未練がある」といったニュアンスがない点も違っています。
「愛惜」の例文
・『生前の祖父が愛惜していた書画骨董の類は親戚に欲しがる人がいなかったので、古物商に買い取ってもらうことにしました。』
・『若い頃から20年以上も働いたこの職場を去ることに、愛惜の思いが無いといえば嘘になってしまいます。』
「哀惜」の例文
・『亡くなった親友の遺影を見つめていたら、今まで我慢して抑えていた哀惜の感情が溢れ出してきました。』
・『生前お世話になり続けた先生が死んだという現実が受け入れられず、哀惜の念に堪えない日々を送っていました。』
まとめ
この記事では、「愛惜」と「哀惜」の違いを分かりやすく説明しましたがいかがでしたか? 「愛惜」は「人物やモノを大事にすること・大切にしていたものを失うことを惜しむ」を意味していて、「哀惜」は「亡くなった人(生き返ることのない人の死)などに対して、悲しんで惜しむこと」を意味している違いがあります。
「愛惜」と「哀惜」の違いについて詳しくリサーチしたい人は、この記事の解説をチェックしてみてください。