「稔る」と「実る」の違いとは?分かりやすく解釈

「稔る」と「実る」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「稔る」「実る」の違いを分かりやすく説明していきます。

「稔る」とは?

「稔る」とは?

「稔る」には、たくさん種を付けるといった意味があります。

「稔る」の場合、穀物がたくさん種を付けるといった意味があり、収穫時期が近付いた稲が穂をつけ垂れ下がっている様子を表します。

もちろん、穀物は稲だけではありません。

粟や稗といった穀物に対しても「稔る」が用いられます。

このような意味から「稔る」は、「成育」「円熟」「熟成」「熟す」「成長」などと言い換えることができます。

「稔る」の使い方

穀物がたくさん種を付けている様子を意味する「稔る」

そのため、「稲が稔る」「粟が稔る」などといった使い方となります。

「実る」とは?

「実る」とは?

果物などの実がなること、成果をあげること、を意味する「実る」

果物などが「実る」状態は、実の中に中身が詰まっている状態や頑張ってきたこと、努力してきたこと、などに対し実を結ぶといった意味で用いられる言葉となります。

このような意味から「実る」は、「完熟」「成熟」「実現」「達成」「叶える」などと言い換えることができます。

「実る」の使い方

主に果実などに対しては、「柿が実る」「リンゴが実る」「実りの秋」などといった言葉があります。

また、成果に対しては、「苦労が実る」「思いが実る」などとなります。

「稔る」と「実る」の違い

「稔る」と「実る」の違い

「稔る」「実る」も、同じ「みのる」と読みます。

そのうえで、対象となるものが異なり、稲など穀物に対しては「稔る」が用いられ、ミカンなどの果物に対しては「実る」

また、成果が出ることに対しても「実る」が用いられます。

このように、「稔る」「実る」の対象となるものは、少し異なったものとなります。

同じ植物でも、穀物と果物といった違いがあり、みのったものに対しても、その後、そのまま食べることができる「実る」とは異なり、「稔る」の場合は、食べるまでに脱穀などといったひと手間を加えなければいけないといった違いがあります。

また、成果に対しては「実る」のみ用いることができる言葉となります。

「稔る」の例文

「稔る」の例文

・『稲が稔る季節は、そろそろ、新米を食べることができると楽しみになる季節のひとつです。』

・『稲が稔る田んぼを見ると故郷を思い出します。』

・『稲が稔ることは、収穫時期を知らせてくれる大切な稲の変化です。』

・『初めて、稲ではなく粟が稔っているのを見ました。』

「実る」の例文

「実る」の例文

・『実りの秋は、本当に美味しいものばかりですね。』

・『実家にミカンが実ったと連絡があったので、取りに行ってきました。』

・『長年の研究の成果がやっと実りました。』

・『3年にも及ぶ彼女との片思いを実らせることができました。』

まとめ

まとめ

以上のことから、穀物に対しては「稔る」

果実に対して、成果に対しては「実る」

これを基準に「稔る」「実る」を使い分けることが大切です。