最近ブームとなっているのが、古代の哲学です。
この記事では、「問答法」と「弁論術」の違いを分かりやすく説明していきます。
相手に伝える技術を磨いていきましょう。
「問答法」とは?
問答法(もんどうほう)とは、ソクラテスが生み出した手法のこと。
穏やかにコミュニケーションを取りながら、相手の矛盾をつくという、何ともするどい技法です。
簡単に言うと、知ったかぶりをしている人、間違っているのに気付いていない人に「そうではない」と知らしめるやり方です。
問答法のポイントは、色々な質問をおこなうこと。
そして相手から、じっくり正解を引き出していくことです。
何度もボールを投げるうちに、相手は答えにつまってしまい「間違っている事実」に気付けるようになります。
こちらから一方的に与えるのではなく、相手の意識を広げて正解に導いていくのが、問答法の特徴になります。
ソクラテス式問答法は、学校や医療介護の現場にも広がっています。
質問することで、相手は「自分に興味がある」とうれしく思います。
いい人間関係を築きながら「新しい気付きやアイデア」を引き出せるのが問答法のメリットです。
「弁論術」とは?
弁論術(べんろんじゅつ)とは、アリストテレスが編み出した方法のこと。
その場にあった言葉を選び取って、聞いている人を説得していく最強のスピーチ術です。
頭でっかちな人、疑り深い人の心を開いて、説き伏せていく方法になります。
弁論術のポイントは、5つの条件を満たしていることです。
その5つには話し手の人柄、論理、感情、隠喩、シンプルが挙げられます。
聞いている人は五感をフルに使って、話し手を見ています。
相手から共感してもらえる人物像をどう作っていけばいいのか、教えたものが弁論術になります。
アリストテレス式の弁論術は、人前でスピーチをおこなう人にとって聖書のように大切にされているメソッドです。
いい印象を与えることが、結果的に自分を高めることに繋がると考えたのが弁論術です。
「問答法」と「弁論術」の違い
どちらも哲学で、よく目にする言葉です。
「問答法」と「弁論術」の違いを、分かりやすく解説します。
・ソクラテスとアリストテレスの差
「問答法」と「弁論術」はよく似ているので、理解しづらいです。
大きな差は、編み出した哲学者が異なること。
問答法はソクラテスによるもの。
弁論術はアリストテレスによるものです。
ちなみにアリストテレスの師匠はプラトン。
プラトンの先生はソクラテスだったので、アリストテレスに大きな影響を与えたのがソクラテスになります。
ソクラテスの問答法は「聞く力」をつけるコミュニケーション術。
対するアリストテレスの弁論術は「話す力」をつけるためのスピーチ法です。
まとめ
「問答法」と「弁論術」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも古代の哲学者が編み出した、現代にも役立つ話術の方法です。
問答法はソクラテスが生み出した「聞くスキル」を上げる表現方法のこと。
そして弁論術はアリストテレスが作った「話す力」を高める技法です。
コミュニケーション力を上げる、ヒントにしていきましょう。