この記事では、「与る」と「預かる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「与る」とは?
「与る」の「与」には、なかまになる、関係する、といった意味があります。
その意味から、「与る」には、物事に関りを持つ、関係する、関与する、といった意味があります。
ある物事に対し、つながりを持つ、一緒に行う、仲間になる、が「与る」となります。
そのほか、主に目上の人から好意の表れとしてあることを受ける、といった意味もあります。
このような意味から「与る」の類語には、「関与」や「携わる」、「頂戴」、「貰い受ける」などがあります。
「与る」の使い方
関係する、関与する、といった意味で「与る」を用いる場合、「経営に与る」や「プロジェクトに与る」などといった使い方となります。
また、頂戴する、といった意味で「与る」を用いる場合は、「お褒めに与る」や「お招きに与る」などといった使い方となります。
「預かる」とは?
人から頼まれ身柄や物品などを引き受け、保管や世話をすることを「預かる」と言います。
また、物事の管理や運営を任されることや勝負や争いごとなどの間に入り処理を任されることや発表などを差し控えることも「預かる」と言います。
このような意味から「預かる」の類語には、「引き受ける」や「保管する」、「キープする」、「任命される」などがあります。
「預かる」の使い方
人から頼まれたものを保管するといった意味で「貴重品を預かる」といった使い方のほか、世話をするといった意味では、「子供を預かる」。
管理や運営を任されるといった意味では「経理を預かる」。
発表を差し控えるといった意味では「辞表を預かる」などといった使い方があります。
「与る」と「預かる」の違い
「与る」と「預かる」は、同じ「あずかる」と読むものの意味は全く異なったものとなります。
「与る」は、何かに関係する、つながりを持つ、などといった意味を持ち、「預かる」は、保管や世話、管理、保留といった意味を持つことばとなります。
このように、それぞれに持つ言葉の意味が異なるため、それに応じた使い分けが必要です。
「与る」の例文
・『お褒めに与り、大変、嬉しく思っております。』
・『今回、このような大きなプロジェクトに与ることになり、嬉しい気持ちと不安な気持ちでいっぱいです。』
・『社長自ら推薦して頂き、今回、経営を与ることになりました。』
・『このような素晴らしいパーティーにお招きに与り、大変緊張しております。』
「預かる」の例文
・『部下から渡された辞表は一旦、私が預かることにしました。』
・『親戚の子供を1日、預かることになりました。』
・『こちらで、貴重品をお預かりしております。』
・『海外出張中の叔父より、留守を預かる。』
まとめ
以上が「与る」と「預かる」の違いです。
何を「あずかる」のかを考え、それぞれに応じた使い分けが求められる言葉となります。