人とは自分の抱えている問題を1人で持ち続けていると、心が病んで精神的に疲弊してしまうものです。
その悩みを打ち明けることで、気持ちが晴れてくるのですが、このような時に使われるのが、「披瀝」という言葉です。
その一方で「披露」という言葉もあるのですが、これらの言葉は意味が似ているようで、解釈が結構違っています。
そこで、今回はこの「披瀝」と「披露」の言葉をそれぞれ見ていきたいと思います。
「披瀝」の意味や使い方
「披瀝」は普段の生活の中や、ビジネスシーンでも使われることが少なくなった言葉ですが、「ひれき」という読み方をします。
意味は「心の中の考えを包み隠さずに打ち明けること」、「心の奥底にとどめていた悩みや秘密を打ち明けること」という意味を持っています。
「本心を披瀝する」というような使い方になり、この場合の「本当の思いや気持ちを正直に打ち明ける」という解釈になります。
「披露」の意味や使い方
一方の「披露」は「ひろう」という読み方になり、「公に発表すること」、「文書などを開いて皆に見せること」という意味を持っています。
「披露」の典型的な活用例としては。
「結婚披露宴」が挙げられます。
「披瀝」と「披露」の違い
では、これら「披瀝」と「披露」の解釈の違いは、どのような点になるのでしょうか?
「披瀝」は「心の中の考えを包み隠さずに打ち明けること」という意味で、「披露」は「公に発表すること」を言っています。
「披瀝」には、それまで「意図的に隠していたことをオープンにする」というニュアンスがありましたが、「披露」には、その要素が含まれていません。
「披瀝」を使った例文と意味を解釈
「披瀝」を使った例文を1つ挙げてみると、「長年、胸中 に抱き続けていた秘密をみんなに披瀝することになった」というような活用があります。
この例文では、何年も何十年も人に知られてはならない重大な秘密を、自分の心の奥にしまいこんで、苦しんでいたのですが、ここで仲間や友人、あるいは家族に「披瀝」することで、やっと心の重荷が消えていくのです。
「披露」を使った例文と意味を解釈
「友人がコッサクダンスを披露して、出席者を大いに賑わせたのです。まさか、彼にあんな特技があったなんて驚きだ」
「披露」は「公に発表すること」という意味がありますが、誰も知らない特技を「披露」することで、周囲の人を驚かせることになることもあります。
この例文でも、友人の意外な特技が分かり、すごく盛り上がったのかもしれません。
まとめ
「披瀝」と「披露」の2つの言葉の意味や使い方を紹介してきました。
「披露」は「結婚披露宴」という言葉で、聞き慣れた言葉でしょうが、「披瀝」という言葉は、使われている漢字も珍しく、新鮮に感じる人もいるかもしれません。
今回の言葉を見て、このようなものがあることを認識すると同時に、日頃の生活の中でも当てはまりそうなシーンを見つけてみるのも、面白いでしょう。