ここでは「由々しき」と「忌々しき」という言葉について、詳しく説明していきます。
「由々しき」の意味や使い方
「由々しき」は、「ゆゆしき」と読む言葉です。
そのままでは将来的に問題になる、またはその問題が大きくなるという意味で使われます。
「これは由々しき問題だ」のような使い方をよく見聞きしますが、「このまま放っておくと将来的に(もっと)困ることになる」と言っているのだと解釈できます。
同時に「見過ごせない」というニュアンスも含んでおり、「由々しい」(ゆゆしい)の形にしても意味は一緒です。
「由々しい問題が発生した」と使うと、将来的に考えても見過ごすことができない問題が起こったと言っているのと同じです。
「忌々しき」の意味や使い方
こちらの「忌々しき」も、同様に「ゆゆしき」と発音する言葉です。
そして、実は「由々しき」の別表記になる表現です。
よって、意味は全く一緒で、どちらを使っても構いません。
ですが、この「忌々しき」は、メディアではまず使わない表記です。
それは、「忌」という漢字だけだと「妬む」、「僻む」といった意味があることと、「忌々しい」とした時に別の意味になってしまうからです。
「由々しき」は「由々しい」としても意味は変わりませんが、「忌々しい」とすると、読み方も「いまいましい」となり、「腹立たしい」ことの表現になります。
その為、「忌々しき」は活字ではあまり見る機会はなく、「由々しき」をそのようにも表記できると覚えておけばいいでしょう。
「由々しき」と「忌々しき」の違い
「由々しき」は、先に挙げたような意味で使う言葉で、「忌々しき」も説明の通り、その別表記です。
こちらにすることで別のニュアンスが含まれるということもなく、単にこちらでも構わないというだけです。
よって、特に使い分けるような必要はなく、一般的には「由々しき」の方を用いてください。
どうしても「忌々しき」と使いたい場合はそちらでも構いませんが、「忌々しい」とすると意味が変わってきてしまうので注意してください。
「由々しき」を使った例文と意味を解釈
「由々しき」を使った例文と、その意味の解釈です。
この言葉は、将来的な懸念の為の表現だと考えていいでしょう。
「由々しき」を使った例文1
「由々しき問題だと分かってはいるが、すぐに対処するのも難しい」
そのままでは将来的な不安があるが、すぐに対応することもできないと使っている例です。
そのような問題だと分かっているのであれば、すぐにではなくとも対今後の応が求められることでしょう。
「由々しき」を使った例文2
「それほど由々しき課題だとは考えていない」
そのままにしておいても、特に将来的に問題になることはないだろうと思っているようです。
将来的に問題になりそう、またはそれが大きくなりそうだと簡単に表現できる言葉なので、うまく使うと文章として格好が付くことも多いと言えるでしょう。
まとめ
「由々しき」と「忌々しき」は、全く同じ意味の言葉です。
通常は「由々しき」の方だけを使うと考えておいていいでしょう。