世の中には大きな声て自分の考えを唱える人たちがいます。
しかし、その行動は決して私心的なものではなく、大局を見て、良かれと思っての行動です。
このような行動の中で「主唱」と「提唱」という言葉が浮かんで来るのですが、どのような意味があるのでしょうか?
そこでこの記事では、「主唱」と「提唱」の違いを分かりやすく説明していきます。
「主唱」とは?
「主唱」は「しゅしょう」という読み方になります。
言葉の意味としては、「主となってとなえること」、あるいは「意見・主張などを、中心となってとなえること」「主となって意見・主張などを唱えること」や「その人」を指しています。
「提唱」とは?
「提唱」は「ていしょう」という読み方になるのですが、「ある主張を掲げて人々に説くこと」、もしくは 「意見・主張などを唱えて発表すること」といったような意味を持つ言葉です。
このような意味に加えて、「物事の意義を説き示すこと」「禅宗で、教えの大綱を人々に示して説法すること」というような解釈でも使われているのです。
「主唱」と「提唱」の違い
では、ここで「主唱」と「提唱」の違いを見て行きましょう。
「提唱」は「意見や主張などを公表してその良さや必要性を広く人々に説き呼びかけること」ということを言っており、「主唱」は「人々の中心となって意見・主張などを唱えること」ということを指しています。
「主唱」はある特定の人物や国が意見や主張を唱えることに対して、「提唱」は特定の人・国・団体が唱えるのでは国・人・団体などが呼び掛けることであり、その点が相違点と言ってもいいでしょう。
「主唱」の例文
では、ここで「主唱」の例文を見て行きましょう。
・『この説を主唱しているのは彼しかいなんだ。学会では無視されそうなんだが、その内容はとても革新的で斬新なものだった。これから大きく考え方が変わっていくのではないだろうか?』
・『我が国と隣国が条約改正を主唱しているんだが、世界の国々はそれを認めそうとしない。このままでは世界情勢はますます混沌としていくのだがね』
上記例文を見ると、特定の人や国が唱えていることが分かります。
「提唱」の例文
「提唱」の例文には以下のようなものがあります。
・『私は改革の重要性・必要性を提唱してきた。そうでないと本当にこの国はダメになるんだ。このままだと数年後には大変なことになってしまうんだ』
・『我が国は世界で唯一の核の被爆国なんだよ。私たちが核廃絶を提唱していなかいと、ますます核の脅威に世界中がさらされることになるんだ。どうしてそれが理解されないのだろう?』
まとめ
ここまで「主唱」と「提唱」の違いを説明してきましたが、「となえる」という意味を持つ「唱」を持つ言葉だけに、意味を混同しやすいかもしれません。
ここの意味はかなり異なっているので、間違いのないように正しく理解して適切な使い方ができるようにしておきましょう。