この記事では、「選定」と「決定」の違いを分かりやすく説明していきます。
「選定」とは?
多くの中から条件や目的にあうものを選んで決めることです。
多くの中から選んで定めることであり、2つのうちどちらかを選んで定めることではありません。
「選」には、えらぶ、よりわける、「定」には、さだめる、さだまる、決まる、決めるという意味があります。
このことからも、「選定」には選んで決めるという意味があることがわかります。
「かおり風景100選」というものがあります。
これは、環境省が、日本全国から自然、生活、文化に根ざした香りのある風景を募集し、応募されたものから100件を選んだものです。
選ばれたものには、北海道のふらののラベンダー、秋田県の風の松原などがあります。
数多くの中から、自然、生活、文化に根ざした香りのある風景という条件にあったものを選んで決めています。
この選んで決めることが「選定」です。
「選定」の使い方
数多くの中から条件や目的にあうものを選んで決めることを指して使用する言葉です。
選ぶ対象が数多くある場合に使用をし、2つの場合には使用しません。
「決定」とは?
物事をはっきりと定めること、物事がはっきりと定まることです。
「決」という漢字には、きめる、きまるという意味があります。
つまり、「決定」は決める、決まるという意味なのです。
ある歌手が新曲のCDを発売することになりました。
まだ、この時点ではいつ発売をするのかはっきりしていません。
はっきりさせた方が購入者が発売初日に手に取りやすくなるので、いつ発売するのかをはっきりさせました。
たとえば、10月3日に発売するといったものです。
これを「発売日を決定する」といいます。
「決定」の使い方
不確かなものをはっきりと定めるという意味で使用をします。
多くの中から選ぶという意味ではありませんが、たとえば3種類あるフレーバーから購入するものを1つだけ決めることを「決定」ということができます。
「選定」と「決定」の違い
決めるという意味を持つ点が似ていますが、やや意味合いが異なります。
「選定」は条件や目的にあうものを選んで決めることです。
数多くの中から選んで定めることを意味します。
「決定」ははっきりさせることです。
商品の発売日を決めるのは、多くの中から選んでいるのではありません。
選ぶという意味は含まれず、決めることを意味している言葉です。
「選定」の例文
・『写真集に納める写真を選定する』
・『話し合って選定する』
・『選定委員会を設置する』
・『これから選定作業に入ります』
「決定」の例文
・『リーグ戦出場選手が決定した』
・『休日に出かける場所を決定する』
・『イベントの開催日が決定する』
・『決定に従う』
まとめ
決めるという意味を持つ2つの言葉ですが、条件や目的にあうものを選んで決めることなのか、不確かなものをはっきりと決めることなのかという点に違いがあります。